今日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
コールセンターで派遣社員として働く瑠璃はある日、少女・ジュラと出会う。不思議な雰囲気を持つジュラがなんとなく気になる瑠璃。やがて“事件”が起き、追われる身となった二人は、住む街を出る。そして、行きついた先で平穏なひと時を迎えるが…。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
朱川/湊人
1963年大阪府生まれ。慶應義塾大学卒業。出版社勤務を経て、2002年「フクロウ男」で第41回オール讀物推理新人賞、03年「白い部屋で月の歌を」で第10回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。05年には『花まんま』で第133回直木賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
この本はこんな人におすすめ
悲しい結末になることがわかっている話を読むのが好きな人
ネタバレありのあらすじ&感想
派遣社員をしながら平凡生きていた瑠璃。
付き合っていた既婚者から手切れ金代わりにもらった50万円で気がおおきくなっていた、瑠璃はある日コンビニでバレバレの万引きをしようとしたジュラをとっさにかばう。
ジュラは小学生程度の頭脳しかないが、不思議な絵を描く女性。
今は悪い男に性的サービスをする仕事をさせられている。
瑠璃はそんなジュラをほっておけなくて、ジュラを車ごと誘拐して救うことにした。
ジュラだけを誘拐できればよかったのだが、その車には大金が積まれてあって。。。
商品(ジュラ)と大金を盗まれて追いかけるやくざから瑠璃とジュラは逃げ切ることができるのか?と言うお話。
都合よく物語が展開しているけど、その分とても読みやすい。
最初から物語の終わりに光があるように思えなくて、それだけに二人が頑張って逃げて生活していこうとしている描写が悲しく感じる。
タイタニックが沈むとわかっていて映画をみているからローズとジャックが出会って恋に落ちていく描写ですら悲しくなるのに近い感覚。
最後にやくざに連れていかれて殴られてこのまま死ぬのかーって時に警察が乗り込んできてくれた時には「あれ?まさかのハッピーエンド?」と思ったけど、やっぱりだめでした。
世の中怖いおかねに手を出しちゃだめだなぁ。
朱川湊人さんの作品といえば昭和っぽいちょっと懐かしい感じがする場所で起こる世にも奇妙な物語っぽいホラーという印象だったのですが、この作品はまったく違い少女漫画っぽいテイストでした。
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