シャドウ 道尾秀介

内容(「BOOK」データベースより)

人は、死んだらどうなるの?―いなくなって、それだけなの―。その会話から三年後、凰介の母は病死した。父と二人だけの生活が始まって数日後、幼馴染みの母親が自殺したのを皮切りに、次々と不幸が…。父とのささやかな幸せを願う小学五年生の少年が、苦悩の果てに辿り着いた驚愕の真実とは?いま最も注目される俊英が放つ、巧緻に描かれた傑作。本格ミステリ大賞受賞作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

道尾/秀介
1975年生まれ。2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。07年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞を、09年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

あらすじ

Twitterでフォロワーさんにおすすめされた作品

道尾さんの作品は2~3作品は読んで、そのあとずっと読んでなかったけどめちゃくちゃ面白いじゃん!となりました。

お勧めしてくださかった方に感謝。

こっからあらすじ(ネタバレなし)

まず、我茂洋一郎の妻・咲枝がガンで亡くなるところからスタート

そして息子凰介と二人の生活が始まります。近くに住む我茂の学生時代からの友人で今も職場が同じ水城徹や小野妻の恵そしてその娘(洋一郎の子ども凰介と同じ学年)がお葬式の時から色々と励ましてくれます。

そんな中、凰介は恵に会った瞬間、自分がおりの中にいて裸の男女が交わる不思議な光景を見てしまいます。今目の前にあらわれた光景はなんだろうと彼は不思議に思います。

しかもそのあと何かがきっかけにその風景は何度かあらわれます(不吉その1)

そして凰介一家を励ましていた水城一家にも暗雲が。徹は2年前に娘が失敗してごみ箱に捨てていた絵を拾ってみていたら精液がついたごみが捨てられていたのを発見して以来、妻のことが信じられず精子が少ないにもかかわらず自然妊娠した娘のことも自分の子供と思えなくなりそのことを幻覚にみるほど悩んでいます。そして身に覚えがない妻はそんな生活に疲れていて・・。

ある日夫の研究している病院から飛び降り自殺します。(不吉その2)

その後も洋一郎を異様にさける亜紀や洋一郎の発言に首をかしげる職場の人の描写。そして洋一郎の精神状態を気にする子供。そして恵が書いたはずの遺書が洋一郎の部屋にあったりして

洋一郎が亜紀をレイプしてた?凰介がみてた映像は洋一郎と水城の妻である恵との性交?等と想像が膨らむのですが・・・。

事件の真相は全く違いました!

そっちか!!!と思わずなっちゃいました。その割には他の伏線もちゃんと回収されていておぉぉぉとなっちゃいます。

いつもはネタバレしちゃうのですが。今回は順を追って説明しないと面白味がなくかつすべてを説明するとめちゃくちゃ長くなる&その能力が私にはないので端折りますw

感想

まず最初の咲枝の死が私には結構考えさせられました。

勿論なるべくそうならないように気を付けていますが、小学5年生という自分の子とそう変わらない子供にとって母親を失うこととはどういうことなのかを少しだけ垣間見て改めて少しでも長生きできるようにしたいと考えました。

(この主人公の子供はとても頭がよく冷静で母親の死も小学生なりにちゃんと受け止めているけど)

後は亜紀ちゃん。大人による性的暴行を受けて一度はその記憶を閉じ込めることで自分を守っていたのに向き合って戦おうとしてなんて強いんだと思いつつもそこまでのことをこんな幼い子に課さなければいけないことにショックを受けました。

二人の小学生なのに大人にならざるを得ない境遇に胸が痛い

と色々考えさせられつつ色々不思議だった点が次々ちゃんと回収されかつ難解ではなく読みやすい文章でミステリーとしてもとても楽しめました

 



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