【娘が転落死した理由】罪の余白 芦沢央

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

どうしよう、お父さん、わたし、死んでしまう―。安藤の娘、加奈が学校で転落死した。「全然悩んでいるようには見えなかった」。クラスメートからの手紙を受け取った安藤の心に、娘が死を選んだ本当の理由を知りたい、という思いが強く芽生える。安藤の家を弔問に訪れた少女、娘の日記を探す安藤。二人が出遭った時、悪魔の心が蠢き出す…。女子高生達の罪深い遊戯、娘を思う父の暴走する心を、サスペンスフルに描く!

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

芦沢/央
1984年東京都出身。2006年千葉大学文学部史学科卒業。12年『罪の余白』で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

あらすじ

子宮がんだった妻が命をかけて産んだ主人公安藤の娘加奈が高校で飛び降り死んでしまう

安藤は妻と娘を失い、仕事も休職することに。

安藤と同じ大学で働く小沢早苗は人の感情をくみ取ることが苦手だったが安藤聡はフラットに接してくれているため普段から同僚として大切にしていた

娘がなくなった後落ち込む安藤の身の周りの世話をし、日々安藤の母に報告している

木場咲は美人で将来芸能人になることを夢見ている。そのため常に将来の芸能人として振り返っても恥ずかしくない学生生活を送ることを心掛けているが、安藤加奈のことを自分を慕う新海真帆と一緒にいじめる。

新海真帆は野暮ったかった自分を適格なアドバイスでそこそこかわいくしてくれた木場咲に心酔している。

そのため後から入ってきた安藤加奈が木場咲と自分より仲良くなったらどうしようと病的なほど気にしていて、途中から木場咲と一緒に安藤加奈をいじめるように

安藤加奈は他人のことを思いやれる優しい子。8歳で母をなくしてから安藤聡と二人暮らし。木場咲と新海真帆からのいじめにより、他人を傷つけるかベランダの手すりに3秒たつかの選択に迫られ、手すりに3秒たつが足をすべらし落下し死亡するが自殺とされる

ここからネタバレ

安藤聡はその後娘の自殺の原因を知るために、別のクラスメートの名前で弔問に訪れた木場咲と一緒に安藤加奈の日記を読む。

そこで初めて二人の親友によるいじめを受けていたとしった安藤聡は二人への復讐を誓い、それを木場咲とは知らず木場咲に告げる。

その復讐の方法を聞いた木場咲は新海真帆を呼び出し、新海真帆に罪を擦り付けようとするが・・・

本当は安藤聡は弔問に訪れた女性が木場咲だと気づき、あえて木場咲に殺害方法を教えることで木場咲が反省してくれているのかを図ろうとしていた

ところが木場咲は全く反省していなかったので、日記をマスコミに報告する彼女に告げる

すると木場咲は「芸能界デビューできない」とあせり、安藤聡をベランダから突き落とす

実はこれが木場咲が一生安藤加奈を殺したことを忘れないためには罪を忘れないためにはどうしたらいいかと考えた安藤なりの復讐だった。

安藤は偶然助かったが、安藤の策略通り娘の時と違い、直接手を下したことにより木場咲は逮捕される。

(もちろん今後芸能界デビューもできない)

最後に新海真帆からの手紙により自殺ではなく、いじめの一貫で娘が死んだことを知り物語は終わる

感想

最初の主人公の娘が、転落していくときのシーンが娘を持つ親としては読んでいられない。

学校はとても閉鎖された空間でなかなか視野を広く持つことが難しいかもしれないけど、命だけはうしなわないでほしい。

途中まで性格の悪い咲の思い通りに事が進んでやきもきしましたがちゃんと安藤が気づいてよかった

後、アスペルガーや自閉症でないと診断されたことで余計に苦しんでいる小沢さんが今後安藤さんといい関係を築いていくといいなーと思いました。

コミュニケーション障害がありつつ、抜群の記憶力を持ってるってことなのできっと彼女はサヴァン症候群ではないかなぁ。

映画化もされています

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