今日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやっていない―。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
伊坂/幸太郎
1971(昭和46)年千葉県生れ。’95(平成7)年東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。’02年刊行の『ラッシュライフ』が各紙誌で絶賛される。’03年『重力ピエロ』、’04年『チルドレン』、’05年『グラスホッパー』、’06年『死神の精度』、『砂漠』が直木賞候補に。’04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞受賞。洒脱なユーモアと緻密な構成で読む者を唸らせ、近年稀にみる資質の持ち主として注目を浴びている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登場人物
- 青柳 雅晴 首相暗殺の濡れ衣を着せられる 逃亡中
- 樋口 晴子 青柳の大学時代の元カノ
- 森田 森吾 青柳の大学時代のサークル仲間。森の声が聞こえる。
- 小野 一夫 青柳の大学時代のサークルの後輩
- 岩崎 英ニ郎 青柳が勤めていた宅配会社のドライバー
- 轟 花火工場の社長※オーデュポンの祈りに出てきた
- 保土ヶ谷康志 仙台病院センターの入院患者
- 佐々木 一太郎 刑事
- キルオ 連続殺人犯
あらすじ
青柳は平凡な宅配便ドライバーだが2年前にアイドルを暴漢から救ったことがテレビで大きく報道されたため仙台では割と顔が知られている。
大学の同級生に森田に釣りに誘われて森田と会う青柳、森田は青柳を自分の車に乗せると後部座席にあった水を青柳にすすめる、何も考えず口にする青柳に「人間の最大の武器は習慣と信頼だ」と森田は言う。
その後眠ってしまった青柳。起きると森田は「自分に借金があること。この車に青柳を12時半まで車で寝かせておけばその借金を帳消しにすると持ち掛けられたこと」を話す。
最近誰かにあわなかった?と森田に聞かれると青柳は最近ネットカフェで知り合った小梅と一緒にラジコンヘリをして遊んだことを思い出す。
「お前オズワルドにされるぞ」と森田はいい・・・
ネタバレ
その後森田が心配する通り首相がテロによって殺され、青柳は犯人として警察官に追いかけられる
青柳が森田の車をでてしばらくすると森田の車が爆発。
その後逃亡しながら大学時代の友人に会ったり、キルオという連続殺人犯に遭遇したり元かのに助けられたりして逃げ続ける。
後日青柳のものと思われる遺体があがったとニュースがあるがそれはダミー。
青柳の実家には青柳が小さいころに父親に書初めさせられた「痴漢は死ね」と同じ書初めがポストに入っていて家族は息子の生存を知る。
そのほかに助けてもらった人物にもそれぞれその人だけがわかる自分が生きているという証拠を青柳は残していきそれぞれがほっとして物語は終わる。
感想
何気ないすべての出来事が、ちゃんと意味ある出来事になっててさすが伊坂作品面白かった。
登場人物もみんないい人。
連続殺人鬼のキルオすらいい人でそれもよい。
巨大な力によってい普通の人がある日、首相殺しの犯人にしたてあげられてるという怖い設定にも関わら出てくる人がいい人だしひょうひょうとした雰囲気の人が多いから読んでいてそんなにつらくならない作品
ちなみに結局なんで首相が殺されちゃったのかとか最後までわかんないし、犯人に仕立て上げるまでの綿密さにくらべて、捕まえようとしたらすぐに捕まえることできそうなのにできないとかそういうところにひっかかりを感じなくもないけど、今回はそういう細かなことはどうでもいいやーっと思えるような爽快さがありました。
好きな言葉
「花火ってのは、いろんな場所でいろんな人間がみてるだろ。もしかすると自分が見てる今、別のところで昔の友達が同じものを眺めてるのかもしれねえな、なんて思うと愉快じゃないか?多分な、そんときは相手も同じことを考えてんじゃないかな。俺はそう思うよ。」
「思い出っつうのは、だいたい、似たきっかけで復活するんだよ。自分が思いだしていれば相手も思いだしてる」
この本を読んだ人はこんな本もお勧め
魔王
コメントを残す