内容(「BOOK」データベースより)
短篇小説は、ひとつの世界のたくさんの切り口だ。6年ぶりに放たれる、8作からなる短篇小説集。
著者について
HARUKI MURAKAMI was born in Kyoto in 1949 and now lives near Tokyo. His work has been translated into more than fifty languages, and the most recent of his many international honors is the Hans Christian Andersen Literature Award, whose previous recipients include J. K. Rowling, Isabel Allende, and Salman Rushdie.
あらすじと感想
短編集
飲み屋とかで突然始まる「そういえば過去にこんなことがあってさ」で始まるオチのない自分語りの村上春樹バージョンといった感じ。
フィクションだけどかなり村上さんの実体験に基づいてるんじゃないかなぁ
石のまくらに
なんとなくセックスした女性。今はもう名前も覚えていないけどその女性は短歌を作っていてその短歌の冊子だけがその後送られてきて今も残っているという話。
話したことも名前も覚えてないけど短歌だけは今も残っている
記憶って意外とそういうものだなぁと思う。
私は20代のころ自分がだれかにとって忘れられる存在であることをとても恐怖に感じていてもしこの後会わなくてなっても覚えていてほしいと彼氏と別れるときとか祈るような気持ちにすらなっていたけど
そんなことを口に出していたとしてもきっと平凡すぎてかなわなかっただろうな
かといってあのころに戻っても短歌の冊子を送るなんて奇抜なことはできないけど
クリーム
女の子から演奏会の招待状をもらい会場に向かう。
でもそこは普通の家のような場所で演奏会は行われてなかった
仕方なく彼は公園に
そこで出会った老人に「人生のクリームについて」レクチャーされる。
世の中で価値があるものは手に入れるのが難しい。でもその難しいことを成し遂げた時それが人生のクリームになる
という話から外周のない円を創造する話に代わっていくんだけど外周のない円を創造するとか私にはできなくて断念。
チャーリーパーカープレイズボサノヴァ
チャーリーパーカーがもし戻ってきたら?という仮定で作った架空のレコードについての架空のレコード批評。
ところがその自分が作った架空のレコードと同じ題名同じ内容のレコードをふるいレコード屋で見つける。
その時はなぜかいたずらだと思い買わなかったけど次の日に気になって見に行った時はすでに売ってなかったというお話
ウィズ・ザ・ビートルズ
あの時ウィズ・ザ・ビートルズのLPを抱えて歩いていた美しい女性。
その女性が主人公の中では理想の女性像となっている。
その後別の女性と付き合いそしてたまたまその女性のお兄さんと話す機会があり少しだけ会話をする。
で、18年後町で偶然そのお兄さんに出会う(お兄さんは一度見た顔を忘れないという特技があった)。
そのお兄さんから当時付き合っていた彼女がその後結婚し子どもを出産しそして自殺したことを聞く。
ヤクルト・スワローズ詩集
これはエッセイに近い話。
ヤクルトスワローズを応援してた村上さんが詩集まで作っていたという話
謝肉祭
とても顔が醜い女性と知り合ったという話。
彼女はしかしとても性格がよく音楽の趣味もあったので二人でシューマンの謝肉祭のコンサートがあれば聞きに行くように
でもある日彼女は詐欺の片棒として逮捕されていた。
品川猿の告白
これは完全にフィクション。一人旅で古い温泉宿に泊まったらそこで猿が働いているという話。言葉を話せる猿が人間の女性に恋をしたときは名前を一部だけもらうというあたりが村上春樹っぽい流れ。
一人称単数
家で一人ファッションショーをしていたらちょうどいい時期だしということでそのまま外で飲むことに
すると隣に座った女性が話しかけてくる
「洒落たかっこうをして一人でバーのカウンターに座ってギムレット飲みながら寡黙に読書にふけっていることって楽しい?」
とかなり失礼な感じ?
だれかと間違えているのかな?と思ったがそうではないらしくどうやら自分の友達の友達らしい。
彼女曰く「その友達はというかかつて親しかった友達は今ではあなたのことをとても不愉快に思っているし私も彼女と同じくらいあなたを不愉快に思っている、思いあたることがあるはず3年間にどこかの水辺であったことを。そこで自分がどんなひどいうことを、おぞましいことをなさったかを・・・」
と結局ここで彼は席を立って帰ってしまうので水辺で自分がどんなひどいことを、おぞましいことをしたかは何のことだかわからずじまい
人違いかもしれないしね。
感想
こういうなんかよくわからない出来事がだれの人生にも数回あるんじゃないかと思っているんだけど私にはまだないなぁ いやすでに起こってるけど気づいてないのかもしれないな
私も「ちょっと前にさ」って話してみたい。
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