内容(「BOOK」データベースより)
恋人の降一を事故で亡くした志保。その車を運転していた降一の親友・五十嵐。彼に冷たく接する志保だったが、同じ哀しみを抱える者同士、惹かれ合っていく「君が降る日」。結婚目前にふられた女性と年下の男との恋「冬の動物園」。恋人よりも友達になることの難しさと切なさを綴った「野ばら」。恋の始まりと別れの予感を描いた三編を収録した恋愛小説。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
島本/理生
1983年、東京都生まれ。98年、「ヨル」で「鳩よ!」掌編小説コンクール第二期10月号当選(年間MVP受賞)。2001年「シルエット」で群像新人文学賞優秀賞を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で野間文芸新人賞を受賞。04年「生まれる森」、06年「大きな熊が来る前に、おやすみ。」で芥川賞候補に、11年『アンダスタンド・メイビー』で直木賞候補になる
あらすじ&感想
高校から大学にかけての女の子の甘くてでも甘いだけじゃない恋心を描くのがうまい。
まるで大学生が書いてるんじゃないかと思ってしまう。
「君が降る日」は恋人を交通事故で突然亡くす所から始まる。
なにもなかったらこのまま彼と結婚して・・という未来が確実にあったわけじゃないけど、でもある日突然もう絶対会えない存在になるというのは辛い。
そしてそのあいてしまった大きすぎる穴をうめることはできなくても共感しあえるのが
交通事故を起こしたときに運転していた五十嵐だったのもつらい。
いい人なだけに助けたくなるけどでもその二人が一緒にいても絶対幸せにはなれない気がする。
「野バラ」は仲が良くてでも恋には発展しない男友達との関係を書いてて
これはこれで切ない。引用されていた野ばらの詩も素敵だけど、
「あの雪の日から、別れると言えない関係を紡いでいたのだと初めて気づいた。ただ一つの好き、だけが欲しい思春期にとってそれがどんなに刺だらけの野ばらだったのか私はしらなかった」
という本の結び方がとっても素敵!!!!
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