ファーストラブ 島本理生

内容(「BOOK」データベースより)

なぜ娘は父親を殺さなければならなかったのか?多摩川沿いで血まみれの女子大生が逮捕された。彼女を凶行に駆り立てたものは何か?裁判を通じて明らかにされる家族の秘密とは?

あらすじ

北川景子さん主演で映画化される作品。

臨床心理士である真壁由紀はある事件についての執筆を依頼される。

その事件は女子大生環菜が実の父親を刺殺したというもの。動機について「そちらで見つけてください」といったことで世間をにぎわしている。

事件の担当弁護士は、由紀の大学時代の同級生でかつ由紀の夫の血のつながらない弟である迦葉。

事件をひもといていくことで父と娘の関係もそして由紀と迦葉との関係も明らかになっていくという作品

ここからネタバレ

環菜の父は美術教師。環菜とは血のつながりがなく、なにかあれば籍を抜くと脅されていた。

そんな中時々行われるデッサン教室で美人の環菜は小学生のころから裸の男性と一緒にモデルをさせられていた。

その後の食事会でも酔った大人に抱き着かれたりしても両親は助けてくれず、家を飛び出したときに助けてくれた男性も小学生の環菜に最後まではしなかったもののなんだかんだと性的な欲求をしてきたうえに保身のために逃げたりして環菜は少しずつ心を壊していく

母親は助けてくれず、デッサンは自傷し手を切った時だけ「見た目が悪い」ことを理由に休めることを知り手を傷だらけにしてようやくやめることができた。

それでもアナウンサーになりたいという夢をみつけ面接に挑んだがその時の面接の様子が昔のデッサン教室に似ていたため途中で気を失い「やっぱり自分は何もできないのだ」と自分を傷つけいつもの習慣でそれを父親に見せようと思い父の職場に行ったところ父が「病院にいけ」と母に電話しようとしてそれを止めようとしたら父が足をすべらして包丁に刺さったというのが事件の真相。

感想

正直 「なぜ娘は父親を殺さなければならなかったのか」という帯と、「動機はそちらでみつけてください」という言葉がセンセーショナルで手に取ったんだけど、全然内容は違いました。

父親は殺してないし、動機はそちらでみつけてくださいと言えちゃうようなちょっと理解しがたい殺人者の話では全然なくて、気持ち悪いけど、レイプされたわけではないし、親がなんでもないふりをしているしと傷ついていることすら気づけない性的虐待によりずーーっと傷ついていた少女が自分が傷ついていたことに気づかないまま、その苦しみを自傷することで解消してて、その中で事故的に父親が死んでしまったというのが真相だったから、なんか思ったよりずっとずっと生々しかった。

そして、実際こういう双方が虐待と気づいていない虐待ってめちゃくちゃありそうって思って怖くもなりました。

だからそのあたりもっと書いてほしいんだけど・・

もっと深堀りしてほしいんだけど・・・

この小説も物語の軸は児童への表にでにくい性的虐待なはずなんだけど、どうしても由紀の「大学時代に性別を超えてわかりあっていた迦葉」と「そしてそのことを隠してるつもりが実はちゃんとばれててそれでも大切にしてくれている夫の我聞さん」という二人の男性(しかも二人ともイケメン)に大切にされている少女ドラマ的設定ぽさの主張が強すぎて、主人公アピールがすごすぎてそっちに話が流れてしまって読後感的にはそっちが勝っちゃいました

ということで次はそのあたりの感想

正直迦葉と由紀が男女の関係になりかけたけど失敗したことがとてもうらやましい。

ものすごく気が合って大好きででも今思うと恋愛感情ではなかったなって人を若いときって恋愛と勘違いして好きになってそういう関係になってしまい結果別れるって流れになりがちなところ寸前で回避できたってところが

だからそこで恥ずかしさやてれなどでちょっと言い合ったくらいでお互いそこまで傷つかなければよかったのに。もったいないなぁ。と思っちゃいました

そして旦那さんもイケメンでしかもいい人。うらやましい。

私も大学生の時に一人だけ長時間一緒にいても全くしんどくないお友達がいました。携帯番号が変わったというメールが届いた日に携帯を落としてしまいなんとそのままあえなくなってしまって今でもものすごーーくその時のことを懐かしく思い出すときがあります。

まことくん元気ですかー!?



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です