本日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
逆境にもめげず簡単ではない現実に立ち向かい非日常的な出来事に巻き込まれながらもアンハッピーな展開を乗り越え僕たちは逆転する!無上の短編5編(書き下ろし3編)を収録。
著者について
【著者略歴】
伊坂幸太郎(いさか・こうたろう)
1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞(短編部門)、08年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞・第21回山本周五郎賞を受賞。他の著書に『重力ピエロ』『終末のフール』『残り全部バケーション』『AX』『ホワイトラビット』『クジラアタマの王様』、阿部和重氏との合作『キャプテンサンダーボルト』などがある。
短編5編
『逆ソクラテス』
無知の知 自分は知らないということは知っている。
そういう人間とは逆の人間。
自分は分かってると勘違いして勝手に決めつけたりしてしまう人間。
それが主人公のクラスの担任久留米。
自分が優秀だと思っている生徒は褒め、落ちこぼれだと思っている生徒は批判する。
そんな先生の決めつけが、優秀だと思われた生徒はその後の自信につながるけれど、落ちこぼれと思われた生徒の人生は狂わしてしまう。
ということで先生から「ダメ」という烙印を押されている草壁くんを主人公の加賀、優秀な女の子の佐久間そして先生を「逆ソクラテス」といった安斎君の手ですごい子にしてあげそれにより先生が「あれ俺の考えは間違ってるかもしれない」という気づきにつなげれないかと奮闘するお話。
僕はそう思わない 私もそう言える大人になれているかな
『スロウでない』
悠太と僕は仲の良い友達。二人とも体育が嫌いなので他の同級生と離れて校庭の隅に座り二人でドン・コルレオーネごっこをしている。
そんなかでもどんどん50メートル走は進んでいく。相変わらず悠太と僕は遅い。
ここで未来に。小学校のころ運動できないのは致命的だったんだよと僕は先生の磯憲に話している。あの頃ここだけの話といって先生は僕たちに「大人になってモテルのは足が早い男ではなくお金を持ってる男だ」と言った。「そして最終的には威張らないやつだ」とも。
また話は5年に戻る。50メートル走はまだ進んでいる。次は転入生の高城さん。高城さんが早かったら女子の中心人物の渋谷は焦るだろうなと悠太と僕は期待したが高城さんは遅かった。渋谷はきっとほっとしただろう。そして同じく足が遅い村田花も。
ここで学級では運動会のリレーのチームを決めることになった。チームは2つAチームはタイムの早かったものから順番に走ることになったがBチームはなかなか決まらず渋谷の声によりくじ引きになった。
選ばれたのは足の遅い僕や村田。
どうせ負けるなら練習する必要があるのかとも思った僕や村田は練習することに。悠太はリレーに選ばれなかったが一緒に残ってくれた。いいやつだ。
練習してるとわざわざ渋谷がこっちにきて嫌味を言ってくる。
高城さんがそれなら渋谷さんが走り方教えてほしいというが軽く却下された。
渋谷はさらに高城さんに「いじめられて転校してきたんでしょ」と聞く。
そのことを担任の磯憲に聞くと「転校してきてやり直そうとしているんだったらやり直せてやりたくないか」と半ばいじめがあったことを認める発言をします。
そして運動会当日 主人公が村田花にバトンを渡そうと思ったらそこに立っていたのは高城さん。
高城さんは主人公からバトンを受け取るとすごい速さで走り1位でゴール
そのことを許せなかったいじめっ子が「登録選手じゃない選手が出場したこと」でBチームは失格となってしまったけど主人公はいい気分に。
そして同時に高城さんはいじめられて転校したわけでなくいじめた側で転校してきたことにも気づきます。担任のやり直させてやりたいというのはいじめっ子だった高城さんへの言葉でした。
そして現在。主人公はその後転校してしまい他のメンバーとはあってなかったのですが、担任に写真を見せられます。そこには村田花と裕が結婚していることそしてその隣には高城さんと思われる笑顔の女性がいて主人公は涙があふれでます
ドン・コルレオーネどうしてって私もやりたい そして消せって言われてスッキリしたい
『非オプティマス』
騎士人という男子は有名企業の偉い人を父に持つ嫌な奴。新任の担任に対して、しょっちゅう筆箱(缶ペン!なつかしい!!)を落として授業を妨害している。
担任はいつもぼーっとしているはきがない。ある日偶然担任の大学時代の友人にあい実は担任は恋人を事故で亡くしてたことを知る。
その事故はある人がものを落としたのを拾おうとして恋人が道路に出た時に起きた事故。
そのある人の子供がクラスにいたことがわかり担任はそのある人を訪ねたところその人は間接的に事故を起こしてしまったその事故のことを心配していた
それをしり担任は少しだけ変化する。
という流れを主人公といつも同じ服をきていて皆からは貧乏だと言われるけど精神的にはとても成熟していて自分というものをもっている福生とがみまもるという話
しかも貧乏とばかにしていた福生の母が実は騎士人の父のクライアントだということもわかりすっかっとする
「まさか保井さんのお子さん(←福生のこと)と、うちの子が同級生とは。おい、仲良くやってるんだろ?」騎士人の父親は少し強い言い方をした。
「お友達なのね?」母親が、福生に訊ねた 頼むぞと念じてくるのが分かった。
福生はにやけたまま答えるためにすぅっと息をすった・・・
ここでお話は終わってます。私はこういうところ大人になれないので絶対友達だとは言えないですが福生はなんていうんだろう
これは中学受験とかに使えそうな話。
『アンスポーツマンライク』
バスケットボールの話。アンスポーツマンライクというのはスポーツマンらしからぬファールのこと。小学校6年の時の試合で主人公たち5人はいいところまで試合をすすめたけど最後に相手チームを足にひっかけてしまいアンスポーツマンライクと判定され負けてしまった。
その後しばらくして5人は再会。コーチの磯憲が癌で入院していたため皆でお見舞いに行く。
その帰りに、通り魔と遭遇し5人は通り魔を取り押さえる。
そしてさらに数年後 今度はバスケのコーチをしている仲間の一人の元に4人が集まる形で再会。
そこに当時の通り魔がやってきて・・・
『逆ワシントン』
桜の木の枝を折ってしまったことを正直にいったワシントンの話が出てくる。私も今の今までその話を信じていたけどあれは作り話だったのか。
主人公の謙介は腹痛で休んでいる靖にプリントを届けるために友人の倫彦と一緒に靖の家に行く。チャイムをならすと出てきたのは靖の父親。靖の本当の父親は離婚していてこの父親は母が再婚してやってきた若くて新しい父親。
その父親の態度が微妙におかしかったことと靖にあわせて欲しいといったのに断られたことで二人は靖がこの新しい父親に虐待されているのではないかと心配する。
そこで2階の靖の部屋をのぞくために2人はUFOキャッチャーの景品にあったドローンを夏休みの研究で「UFOキャッチャーの攻略法」をかいてきた教授というあだ名の友達に撮ってもらうことに。
2人のなけなしのお小遣いの1000円ではとれず後100円あればと思っていたらたまたまゲーセンに100円が落ちている。
これを使えばとれると思うが、でも上記のワシントンの話を思い出し二人はその100円を素直に店員に渡したところ、店員もまたワシントンの話をひきだし自分の財布から100円を彼らに渡してくれ無事にドローンをとることに成功します。
そのドローンを使って靖の虐待の証拠を・・とはならなかった。
靖の父はソフトボールが苦手で学校に行くのが嫌だった靖のずる休みを許してあげていたためあの時態度が変だっただけでした。
で、皆でほっとしてドローンで遊びだしたところ、ドローンが遠くに飛んでいき、被害にあったわけでもないおじさんにめっちゃ怒られてるはめに
けれど主人公の母親がそのおじさんいじょうにキレながら二人に近づいてきてあっけにとられてるおじさんから二人を助けてくれてお話終わり。
最後の電気屋さんのシーン。新しいテレビを買いに来た主人公親子に真面目に対応する店員。テレビではユーチューバーからプロバスケ選手になった日本人が活躍している。(これはアンスポーツマンライクの駿介)それをみて涙を流す店員。というシーンがあるけどこれは多分アンスポーツマンライクの通り魔だということなんだろう なにかがあったとしても全く関係のない人物を傷つけることをしてはいけないし、まして標的が自分より弱い存在である子供だったことを考えても許せないけれどもでも真面目に生きていくことができていてよかった。誰もしななくてよかった。
まとめ
小学生が主人公なので比較的読みやすいとは思うものの、小学生にしては読解力が必要かもしれない。
星は4つ
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