光射す海 鈴木光司

内容(「BOOK」データベースより)

精神科医の望月が勤務する病院に1人の女性患者が収容された。入水自殺を図り救助されたその女性は、記憶と言葉を失っていた。望月は素性を探るうち、彼女のもとを去った恋人の存在を知る。病院での彼女の不安定な行動は、恋人との過去に原因があるようだが…。偶発的に誕生した遺伝子により決定付けられた運命。それを知ってしまった人間の選択と希望とは?生きる事の真の意味と価値を問う感動のヒューマン・ミステリー。

著者について

1990年『楽園』で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞しデビュー。91年『リング』シリーズでブレイク。

あらすじ&感想

自殺未遂した女性はすべての記憶を失っていて妊娠しているがその相手の男性どころか自分の名前すら言わない、その女性に少し恋心を抱いた入院患者が退院後その女性の身元を調べるとその相手の男性は現在マグロ漁船にのっていて・・・・

ここからネタバレ

実は彼女はハンティントン舞踏病に自分がかかっていると思い子供に優性遺伝することがわかっていたので自殺を試みたというのがオチ

このハンティントン舞踏病は遺伝子の病気で治療法はなく、40前後で発病するまで自分がかかっているかわからない、発病したら体が動かなくなりかつ精神病に似た症状がでる、優性遺伝で親にこの病気の遺伝子があるとかなり高い確率でかかってしまう

などかなりしんどい病気

神様もなかなかひどいなって思いました。

が小説上ではこのハンティントン舞踏病で亡くなった父と自殺未遂した女性は実は血縁関係がなく(奥さんが他人との子供を夫の子供と偽り育てた)彼女がその病気になることはないとわかり終わりを迎えます

自殺しようとしたら記憶喪失になっちゃうというところまではあり得そうな話だなあって思って読んでたのですがそのあとの病気と彼氏が色々なことをふっきるためにマグロ漁船に飛び乗ってたのはぶっとび設定だったなぁ

そしてこの本筋とは関係ないマグロ漁船から落とされて漂流するシーンがこの小説の中で一番面白かった。さすが海好き鈴木光司



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です