【卒業がテーマの連作短編】少女は卒業しない 朝井リョウ

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

今日、わたしはさよならする。図書室の先生と。退学してしまった幼馴染と。生徒会の先輩と。部内公認で付き合ってるアイツと。放課後の音楽室と。ただひとり心許せる友達と。そして、ずっと抱えてきたこの想いと―。廃校が決まった地方の高校、最後の卒業式。少女たちが迎える、7つの別れと旅立ちの物語。恋愛、友情、将来の夢、後悔、成長、希望―。青春のすべてを詰め込んだ、珠玉の連作短編集。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

朝井/リョウ
1989年5月生まれ、岐阜県不破郡出身。早稲田大学文化構想学部在学中の2009年『桐島、部活やめるってよ』で第二十二回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。他の著書に『チア男子!!』(第三回高校生が選ぶ天竜文学賞)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

あらすじ&感想

エンドロールが始まる   卒業式の日の早朝

明日学校が取り壊される。その前日が卒業式。

主人公は、図書室の先生に恋をしていた。先生には奥さんがいるし叶うことはない。なので今日先生に借りていた本を返してこの恋から卒業する。

先生に対する話し方とかがとてもリアル。読んでいて彼女の幼くも真剣な恋に切なくなりながらやっぱりおばさんはその青々とした感じがうらやましくもなってしまいます

なんでも青春だな!いいな!ってなるあたりもうおばさんすぎで自分でもいや。

屋上は青          卒業式直前

優等生の孝子は卒業式がもうすぐはじまるのに今屋上にいる。

一緒にいるのは小さい頃から習っていたダンスで芸能活動を始め学校をやめてしまった幼馴染の尚輝。

彼は私なんかがもってないものをすべて持っている。

でも実は尚輝も普通ではない人生を選択したこれからに不安を感じていてそのことを孝子にうちあけ、最後に孝子の前でダンスを披露する

涙を流しながら踊る尚輝をみて、孝子は自分も泣きそうになるが泣かずに笑顔で彼を見送らなければと思っている

在校生代表         卒業式

在校生代表として答辞を読む。

生徒会に入ったのは会長の田所先輩が去年の卒業式のライブで照明役をしながら泣いていた姿に一目ぼれしたから。

生徒会に入って先輩には近づけたもののあの時の先輩の涙は先輩がその1個上の先輩に恋をしていたからだと知ってしまう

なので今日は私がこと後行われる卒業式ライブの照明係をする

上記の内容を答辞にかえて全校生徒に発表する

かっこよすぎ

寺田の足の甲はキャベツ   卒業式後

女バスの私はバスケ部に彼氏がいる。

彼氏の寺田はいつも明るく優しい。

彼氏の寺田が私は大好き

でも寺田は地元で教師になるけど私は東京に行く。

高校生の二人にはその距離がとてつもなく遠く。

私は寺田に別れを告げる

四拍子をもう一度      卒業ライブ

卒業ライブのとりを務めるはずのビジュアル系バンド「ヘブンズドア」。

でも彼らの衣装やメイク道具がすべて盗まれてしまう。

犯人はボーカルの森崎の声が好きな氷川さん。

氷川さんが森崎の声をみんなに届けたくてアカペラで歌ってほしくて行った犯行。

でも主人公は森崎の声がすきだからこそ皆にその声を聞かせたくなかった。

けれど森崎はもう舞台の上に行ってしまい。みんなに森崎の声は届く・・・

二人の背景        卒業ライブ中

カナダから転校してきたあすかに最初に声をかけてくれたクラスの中心的な人物里香。

でも里香は留学経験があり母親も英語の教師だったため今まで一番だった英語の成績があすかの満点により2位になってからは明日香を敵視するように

クラスで友達がいなくなったあすかは障害がある特別支援クラスの正道君と一緒に美術文に入ることにする。

そんな正道くんが卒業後アメリカにいくあすかに肖像画を描いてくれた。

夜明けの中心       卒業式があった日の夜中

卒業式後明日には取り壊される校舎にお弁当をもって夜忍び込むまなみ。

幽霊がでればいいのにと願うがそこには先客の香川がいた。

まなみの彼氏であり香川の友人だった男性が校舎から落ちて亡くなった

その幽霊がでてきてくれればいいのにと二人は思っている

まとめ

卒業式を通してそれぞれに起きた別れがテーマ。

切ないけど青春って感じでとってもいい本でした

女性のいじわるでかわいくてめんどくさくてみたいなところがとても上手に書かれていてこの作者は絶対もてるだろうなとか思いながら読んでました。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です