【フィッシュストーリー=ほら話】フィッシュストーリー 伊坂幸太郎

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

最後のレコーディングに臨んだ、売れないロックバンド。「いい曲なんだよ。届けよ、誰かに」テープに記録された言葉は、未来に届いて世界を救う。時空をまたいでリンクした出来事が、胸のすくエンディングへと一閃に向かう瞠目の表題作ほか、伊坂ワールドの人気者・黒澤が大活躍の「サクリファイス」「ポテチ」など、変幻自在の筆致で繰り出される中篇四連打。爽快感溢れる作品集。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

伊坂/幸太郎
1971(昭和46)年千葉県生れ。’95(平成7)年東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。’04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞受賞。’08年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞と山本周五郎賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

あらすじ&感想

この題名の「フィッシュストーリー」とはほら話って意味らしい。

釣りをする人が自分の釣果を実際より誇張していうことに由来するんだって。こういう言葉って面白い。

動物のエンジン

夜、動物園のシンリンオオカミの檻の前で寝る永沢

永沢は動物園のエンジン。彼の存在で動物たちの活気が違う

昼はマンション建設反対運動に参加し、夜はオオカミの檻の飴で眠る。

私と河原崎さんと恩田さんの3人はそんな永沢に・・・

河原崎さんはラッシュライフの「死体のスケッチをする河原崎さん」の父親(のちに自殺した)だと思われる。

サクリファイス

ある男を探すために黒澤は小暮村にやってくる。

その村には昔から生贄の風習に由来した不思議な儀式が残っていて…。

私の好きな泥棒の黒澤さんの話。今回は副業の探偵。

人里離れた村で昔から伝わる謎の儀式。

金田一とか横溝正史みたいな設定。

最初にいろいろ話をきくことができた夫婦や92歳のおばあちゃんのキャラはよかったけど、肝心の村長と幼馴染のキャラがいまいち
そのせいでオコモリ様を利用するという発想は面白いから、もうそこにあえて二人の友情をかませなくてもいいのでは?という気分になります。

フィッシュストーリー

僕の孤独が魚だとしたら~ 20年前、カーステレオから流れてきた解散したロックバンドの曲。小説の文章を引用したその曲は演奏の途中に突然音が途切れる箇所があり・・・・

解散の決まったロックバンドが最後に作った1曲がとある人を救うことになるその結果さらにその子供が10年後に世界を救う発見をする

乱反射とは真逆のバタフライエフェクト 

 うまくつながりすぎてるように感じるけど、実は気づいてないだけでこういうこと現実にたくさん起きてるんじゃないかなっと思うと、今日の私の何気ない行動が40年後の誰かの人生を変え的にいるかも!人生素敵!っとやたらキラッキラした気分になりました。

ポテチ

 主人公大西は泥棒の今村に命を救われそのまま一緒に暮らすようになる。

今村はとある人物の部屋に忍び込んで以来どうも様子がおかしい。

それは今村の出生の秘密にかかわっていて・・・・

「コンソメ食べたい気分だったんだけど、塩は塩で食べてみるといいもんだね。間違えてもらって、かえって良かったかも」
その言葉を聞き、今村は、無言で泣きじゃくり、ポテトチップスを口に入れた。   

こういう慰め方できる人素敵。

好きな言葉

たぶん戦争はじめる前の日本もそうだったって言うんだ

さあ。戦争はじめますよ』って言ったら誰だって、わたしだって反対したわよそれがいつの間にか戦争になった(略)」

地獄への道は綺麗に飾られている、という諺を黒澤は思い出す。

 「だいたいさ、正義なんて主観だからさ。そんなのを振りかざすのは、恐ろしいよ」



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