今日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
少年は12歳にして「永遠の命」に閉じ込められた!?僕はなぜ大人にならないのだろう。心も躰も成長を止め、純枠な子供のまま生きていくことは果たして幸せなのだろうか。出生の秘密を自ら探る呼人が辿り着いた驚くべき真実とは。感動のラスト、権力者の理想が引き起こす現代の恐怖をリアルに描いた傑作長編。
感想
最初はスタンドバイミーのような青春小説
ところがその後主人公は一人だけ12歳のまま心も体も成長をとめてしまったなぜ大人にならないんだろう。
悩む主人公は秘密をさぐるために母親を探し出す旅にでる・・・。
スタートは1985年、主人公は12歳。クラスメイトの小春が母の浮気を父にばらしてしまったことで家族が壊れかけていることを悩んでいる。でも、そのことを唯一知っている主人公の呼人は何もすることができずにいる。
ちなみに主人公の親は本当の親ではない。ある日姉に呼人を預け、母は行方がわからなくなっている。
半年前から主人公は身長が伸びていない。両親は大阪の医師にみせようと考えていた。
大阪に出発する日。搭乗予定だった飛行機が墜落する。その夜。育ての親が。「やっぱり、運命なのかな。死なない運命」とつぶやいているのを聞く。
その後ときは流れ、友人の康介は自衛官となり 潤はアメリカに留学する。
小春は不倫の恋に・・・。大人になっていく友人たちでも主人公の呼人の成長は12歳で止まったまま
大人な彼らは子供のままの主人公の子供らしい正論にときに諭されたりする。
さらにときは流れ21世紀(小説が書かれたのが1999年なのでここからは今までの実際にあった事件なんかとリンクさせた話ではなく、作者の創造する21世紀が描かれていてそれはそれで楽しめる)康介は北朝鮮で地雷と戦ったりとそれぞれが絶望を味わう。
呼人はまだ12歳のまま。康介から重要な情報を手に入れた呼人はアメリカに母を探す旅に出る。
とこの辺まではとっても面白かったんだけど
この後、小春が12歳のころ夢で「呼人を守るように言われた」とか母親が実は(ねたばれですが)テロリストだったとか少し話がとびすぎて少し残念になりました。
母親が子供に死んでほしくないと思うのは当然で私も子供には200歳も300歳も生きてほしいと思っているけどだからといって成長が止まるかもしれないホルモンをうつ母親は狂っているし感情移入できない。(1歳で成長をとめた子どもに対する愛情のなさなんかもあり得ない)
さらにいうと12才のまま年をとらないという設定はいいとして。、心まで12歳のままという設定は無理があるような気がする。どうしても小春や潤や母親との会話の中で12才とは思えないシーンがでてきてでも12歳としか思えない子供ぽさもあってなんだか同一人物とは思えなくて感情移入しにくい‥。
途中までとっても面白かっただけにうーんなんだかもやもやした小説でした。
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