【子供のために母は狂う】人魚の眠る家 東野圭吾

今日の一冊

あらすじ

主人公の播磨薫子の娘が水難事故により脳死とおもわれる状態になってしまう。

一度は、臓器提供のための脳死判定を行おうとするが、その瞬間わずかに娘の指が動いた気がして薫子は娘と共に生きることを選択する。

夫の会社の特殊な技術により呼吸器も外すことができ、まるでただ眠っているかのような娘の世話をする薫子。状態はよく心臓は動き続け娘の体は成長を続ける。

けれど娘が目を覚ますことはなく…

ここからネタバレ

寝ているように見える娘。

でも娘はすでに死んでいるという周りの声は高まるばかり。

薫子はそこで娘を殺そうとする。

もし娘を殺して警察が私を捕まえてくれたら、それがその時まで娘は生きていたという証になるから

でも娘を刺す事は出来ず・・・

ある日娘が薫子の夢に出て来て最後のお別れをする。

そしてその後体の状態は急速に悪くなり、それにより薫子は娘の死を受け入れる。

そして今度こそ脳死判定を受け娘の心臓は移植を待つ子供のもとへ

というところで終わる。

感想

母親の気持ちが痛いくらいわかる。

私は普段から自分にもしものことがあれば臓器移植して欲しいことを臓器提供意思表示カードに記載しているけれど、子供達は話が別。

頭ではわかっていても心が拒否してしまう

私は脳死が本当の意味での死と考えているし、心臓移植を待つ子供達のことも知っているそれでもこの母と同じ選択をしてしまいそう。

印象に残った言葉

この世には狂ってでも守らなきゃいけないものがあるる。そして子供のために狂えるのは母親だけなの

母親 薫子

父親だって子供のために狂うと思いますが、確かに私が狂うとしたらそれは子供のことでだなと思います

それ以外のことなら乗り越えられる気がするので。

この小説はこんな人におすすめ

  1. 脳死とは?死の定義とは?について考えたい方
  2. 東野圭吾作品が好きな

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脳死ではなく最初から脳がなかったら?それは生きてることになるのか?

無脳症の赤ちゃんから臓器を移植する話



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