【 育ての父のひとことが子どもを救う】重力ピエロ 伊坂幸太郎

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは―。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

伊坂/幸太郎
1971(昭和46)年千葉県生れ。’95(平成7)年東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。’02年刊行の『ラッシュライフ』が各紙誌で絶賛され、好評を博す。’03年に発表した『重力ピエロ』は、ミステリファン以外の読者からも喝采をもって迎えられ、一気に読者層を広げた。また『重力ピエロ』で、七〇年代生れとしては、初の直木賞の候補となる。’04年『チルドレン』、’05年『グラスホッパー』、’06年『死神の精度』が直木賞候補に。’04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登場人物

  • 泉水 主人公
  • 春  泉水の弟 
  •   自動車事故で死亡
  • 郷田 団体の職員
  • 黒澤 探偵兼泥棒 

あらすじ

連続放火火事を予見するような謎のグラフィックアート。

仲良し兄弟の泉水と春はその事件に興味を持ち謎解きに乗り出す。

というストーリー

ネタバレ

その放火は強姦魔が強姦した場所を火で浄化していた春が犯人だった。ついでにいうと春は強姦魔の殺害もしている。

この強姦魔が実は春の本当の父、昔この強姦魔が強姦して母が妊娠しその末産まれた子供が春だった。

 春は実の父に復讐を果たし、そして育ての父ははそんな春に「自分とそっくりだ」ということで、春を苦しみから救い物語は終わり

感想

伊坂作品の中では暗いレイプされてできた子供を産むっていうその設定から考えさせられる。

「おまえは嘘をつく時、目をぱちぱちさせるんだ。子供の時からそうだった。鼻水もそうなんだよ」

私たちは言葉を発することができず、ぽかんと口を開けたままの、どちらかといえば阿呆面で、父を眺める。父はさらに、春に向かってこうつづけた。それは、私たち兄弟を救済する最高の台詞だった。

「お前は俺に似て、嘘が下手だ」

 でも父はこうやってちゃんと兄も弟も愛してる。

なんて素敵な父

このさらっていうところも含めて素敵。

ちなみにここに出てくる強姦魔

全く反省していなくて最低の人間で、なので春が殺してくれたときはよかったとすら思うんだけどそれって人間の怖いところだよな

一方的な情報でわかった気になって、将来の罪を減らすためにならその人を殺害していもいいなんてちょっと怖い思考。

でもその結果レイプされる人間が減るのならそれでもいいような

などいろいろ考えてしまいました。

好きな言葉

良心については、多数決の原理があてはまらないんだ

本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ

この小説を読んだら次はこんな小説はいかがでしょう?

春が死神と話すシーンが出てきます

 

 



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