今日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
山田王求。プロ野球チーム「仙醍キングス」を愛してやまない両親に育てられた彼は、超人的才能を生かし野球選手となる。本当の「天才」が現れたとき、人は“それ”をどう受け取るのか―。群像劇の手法で王を描いた雑誌版。シェイクスピアを軸に寓話的色彩を強めた単行本版。伊坂ユーモアたっぷりの文庫版。同じ物語でありながら、異なる読み味の三篇すべてを収録した「完全版」。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
伊坂/幸太郎
1971(昭和46)年千葉県生れ。’95(平成7)年東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。’04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞受賞。’08年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞と山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
あらすじ&感想
文庫本になりかなり加筆したみたいですが私は単行本で読んでしまったせいか伊坂作品の中では異質。
野球に興味がないので少し読みづらかった
プロ野球チーム「仙醍キングス」は、負けて当たり前の弱小球団。
そんな仙醍キングスに、高校でも大学でも見事な成績を残してきた南雲慎平太の入団が決まった。
そんな南雲慎平太は、本塁打王や打点王や首位打者などの争いに加わるものの、結局一つもタイトルを取れずにいた。
しかしFA権を取得した後もFA宣言をせず、引退するまで仙醍キングスに在籍し、今は監督としてまた戻ってきた。
彼の一連の行動は、一般の野球ファンからすればただの物好きだったが、仙醍キングスファンからの人気は絶大であった。
山田夫妻も、南雲慎平太の熱狂的なファンだった。
しかし、南雲慎平太は「次の番が来たからだ」と突然監督を辞めることを発表しさらに最後の試合での事故で亡くなってしまう。
その日に産まれたのが山田夫妻の子供“山田王求(おうく)”
この山田王求の天才バッターとして一生がこの本の主題。
ここからネタバレ
その後彼は才能が開花していきますが、敬遠ばかりでうたせてもらえなかったり、天才すぎて妬みなどに気づけず周りの人間に疎まれたり、しかも子供と野球を異常に愛する両親が敬遠をしないようにと相手チームにお金を渡したり、息子に暴力をふるった少年を殺し殺人犯の息子となってしまったりと苦労します。
彼は偽名を使いプロ野球選手になるも、王求を「殺人者の息子」となじったことでそばにいた王求の知り合いのチンピラに追われたことを根に持っていた男が王求の才能に嫉妬していたコーチをそそのかしコーチに刺されてしまいます
伊坂幸太郎が自分自身が読みたい本を書いたと言ってる通り、かなり自由に書かれてる本でした。
まず、この話は野球のお話だけど物語はかなりリアリティが薄いです。
小学校のころからプロの球で本塁打をうったり、打率も7割!とかそんな感じです。
でもそれは伊坂幸太郎の文章によってそんなに違和感なく読むことができます。
好きな言葉
俺はな、優雅に飛んでいる鳥が落っこちたりするのを見て
溜飲を下げるよりも、
絶対飛ばないような牛が空飛ぶのを眺めて、
爆笑する方が好きなんだ。
コメントを残す