今日の一冊
あらすじ
桜宮市にある東城大学医学部付属病院に、伝説の歌姫が大量吐血で緊急入院した頃、不定愁訴外来の万年講師・田口公平の元には、一枚の怪文書が届いていた。
それは救命救急センター部長速水が特定業者と癒着しているという、匿名の内部告発文書だった。
院長の高階から依頼を受けた田口は事実の調査に乗り出すが、新人看護師姫宮や厚生労働省の白鳥の登場で、さらに複雑な事態に突入していく。
速水の悲願、桜宮市へのドクター・ヘリ導入を目前にして速水は病院を追われてしまうのか……。
というお話。
登場人物
- 田口公平 東城大学付属病院神経内科講師、不定愁訴(グチ)外来責任者。
- 白鳥圭輔 厚生労働省大臣官房秘書課〜から始まる長い名称に属している。
- 高階権太 東城大学医学部付属病院病院長。
- 藤原真琴 不定愁訴外来専任看護師、元看護師長。田口の善き相談相手
- 兵藤勉 院内の情報通
- 島津吾郎 東城大学医学部付属病院放射線科助教授。AIの研究がしたい
- 黒崎誠一郎 臓器統御外科教授。リスクマネジメント委員会副委員長。
- 速水晃一 救急救命センター部長「ジェネラル・ルージュ」と呼ばれる 田口の友達
- 如月翔子 救命救急センター看護師。浜田小夜とは同期。速水が好き
- 花房美和 救命救急センター看護師長。速水の片腕。告発文では速水共に癒着にかかわってるとされた
- 佐藤伸一 救命救急センター副部長代理。 ダジャレ好き
- 姫宮香織 ICUに看護研修にやって来た看護師見習い。現場ではミスしまくるが実は国家試験をトップで合格している白鳥部下
- 沼田泰三 エックスコミティ委員長 愚痴外来が精神科の領域を侵犯していると田口に言う
- 三船 病院の事務長。ドクターヘリ導入に反対していて速水と対立している。
ネタバレありあらすじ
2作目の作品と同時進行で起こっている事件という設定
伝説の歌手水落冴子がライブ中に吐血して東城医大に運ばれ神経内科病棟のVIP室ドアトゥヘブンに入院することになる。
神経内科病棟を担当するのは不定愁訴外来通称愚痴外来の責任者、田口公平。
田口公平はチームバチスタ事件を解決したことから万ねん講師からリスクマネジメントいい亡きの委員長に出生してる。
そして今回田口の元に「救命救急センターの速水部長が医療代理店と癒着している。花房看護師長と共犯だ」という怪文書が届き田口がその真相を追うという展開。
この速水部長は東城大学の救命救急センターの責任者で1991年におきたデパート火災で大量の患者を処置したことから「ジェネラルルージュ」と呼ばれるようになった凄腕の持ち主。
そして速水と田口は同期で友達でもある。
なので田口は高階院長と話し合い、この怪文書の件をリスクマネジメント委員会ではなく、倫理問題審査委員会に審議を依頼する。
で、この委員会で速水を問いただしたところ速水はあっさり収賄を認め辞表を提出しちゃう。
この内部告発 実は速水が自分で告発していた。癒着は救命救急病との赤字を埋めるためで、癒着により何とか持ちこたえていたがこのままでは持たないと考え、自分で自分を告発することで救命救急病棟を立ち直らせようとしていた。
そしてその告発文を見た花房師長は速水の右腕でそして速水に好意を抱いていたためそこに自分も共犯だということを書き加えていた。
その後速水を収賄容疑で告発しようという動きも出たが、花房師長は速水にシュレッダーにかけるようにいわれていた領収書をちゃんと保存しておき、この収賄で速水が一切私的利益を得ていないことを証明し 白鳥が「私的な利益を速水が得ていないなら、これは組織的収賄で責任は院長の高階にある>と発言したため審議は終了。
さらに田口公平が「チュッパチャップスを毎回受け取っていたのは収賄にあたるので辞表は受理できない」と院長に伝え、速水は院長の命令で北海道のごく北救命救急センターへ派遣。花房もついていく。
そしてセンター長には速水を嫌っていた佐藤に任せることになりお話は終わり。
感想
センター部長の速水が特定業者と癒着していると密告があってそれを速水と同期のグッチーこと田口が調査する話なんだけど、今回はそれが本当かどうかとかではなく癒着しないといけなかったのはなぜか?ということが物語の本筋でした。
とにかく、主人公の速水さん本の中でこれでもかってくらいめちゃくちゃカッコよく書かれてました。実際こんな人いたら逆にやりづらいだろうけど、でも本で読んでる分にはとてもよかった。女性に慕われるのも分かる。(でも、この本に関して言えば恋愛描写はいらなかったかも。なんとなく女性の描写がいかにも男性が考える女性像でいまいちだと感じた)
それとは逆に倫理会にいる沼田教授の腹が立つこと・・・
なので今回はそんな沼田にガツンといってくれるゴキブリ白鳥がとてもカッコよく見えてしまいました。
ということで人物描写は面白かったです
この本はこんな人におすすめ
- 田口と白鳥のシリーズが好きな人
コメントを残す