ニワトリは一度だけ飛べる 重松清

内容(「BOOK」データベースより)

左遷部署「イノベーション・ルーム」に異動となった酒井裕介のもとに「ニワトリは一度だけ飛べる」という題名の謎のメールが届くようになる。送り主は酒井らを『オズの魔法使い』の登場人物になぞらえて、何かメッセージを伝えようとしているようなのだが…。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

重松/清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務を経て執筆活動に入る。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、01年『ビタミンF』で直木賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞、14年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞を受賞。小説の他、エッセイやルポルタージュも多く手がけている

『ニワトリは一度だけ飛べる』あらすじ 

酒井祐介は家族のために転勤を断ったことをきっかけに、イノベーションルームというなの左遷部署に飛ばされてしまう。

イノベーションルーム通帳イノ部屋に送られたものは大体2カ月で退職しているが、祐介は家族のために絶対に辞職はしないと心に決めている。

同じく同期の羽村もイノ部屋にやってきた。羽村は同期でも一番出世頭だったか、1年前社長がおわれるようにやめたことで社長側についていた羽村もイノ部屋に飛ばされたのだ。

さらに大阪から東京に転勤したかったため自らイノ部屋を志願した中川と、ずっと本を読んでいる江崎室長。

合計4人がイノ部屋のメンバー

江崎はどうやらイノ部屋にいるメンバーがいい感じで辞職するように見張るスパイのような役割を担っていて初日から羽村といがみ合っている。

そんな中、祐介の元には「ニワトリは一度だけ飛べる」というタイトルの不思議なメールが届く。

メール内容はイノ部屋のメンバーをオズの魔法使いに絡めて、オズの魔法使いのように力を合わせて悪い悪魔を倒すように示唆している。しかもその後も何度もそのメールが届き・・・

このメールの差出人は誰なのか疑問に思いながらも、会社の不正を暴いていくというお話。

感想

当初週刊誌に連載されたこの小説は、関係者の圧力で出版が見送られ、最近になって、最強硬だった人物が亡くなり、十数年の時を経て、平成最後の年に文庫として刊行された。

とか書いてみたかったー(えへ)(そんな書き方ではないけど)

という始まりで始まる話。

いや本当はどうなんだろう。やっぱり雪印食品の食品偽装事件をモチーフにしてるんじゃない?で実際に圧力があったんじゃないの?どうなの?

内容は、左遷部署に追いやられた主人公たちが会社の不正を暴いていく話でだからこそいい感じにハッピーエンドになっています。

ハッピーエンドになった理由の一つに、具合の悪い子供に偶然電車で席を譲ったというのがあって、子供はとても感謝してるんだけど、実際は乗り換え案内図をみるために席を立ってただけだったっていうオチで、そういうのがなんとなくリアルでよかったです。

後は実際こんなうまくいくかなぁという感じで読んでしまったのですが、でも雪印食品でああやって内部告発により発覚したんだから実際ありうるんですよね。

すごい勇気と力だな。ってことでそっちの実話の方の話を知りたくなりました。

あと、ニワトリは本当は空を飛べるけどとんだら心臓に負担がかかるので普段は飛ばないんだそうです。知らなかった。

そして心臓に負担がかからない程度にスマートなのか、普段から飛ぶニワトリを飼っている神社が奈良にあるらしいという話が最後にでてくるのですが、その神社ちょうど子供が生まれる前に行ってたことを思い出して懐かしくなりました♪



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