今日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
人間魚雷「回天」。発射と同時に死を約束される極秘作戦が、第二次世界大戦の終戦前に展開されていた。ヒジの故障のために、期待された大学野球を棒に振った甲子園優勝投手・並木浩二は、なぜ、みずから回天への搭乗を決意したのか。命の重みとは、青春の哀しみとは―。ベストセラー作家が描く戦争青春小説。
著者について
1957年東京生まれ。国際商科大学(現・東京国際大学)卒業後、上毛新聞記者を経て、作家として独立。「陰の季節」で松本清張賞、「動機」で日本推理作家協会賞短編部門賞を受賞。
主な著書に『半落ち』(講談社文庫)、『第三の時効』(集英社文庫)、『クライマーズ・ハイ』(文春文庫)、『ルパンの消息』(光文社)、『震度0』(朝日新聞社)などがある。
あらすじ
甲子園の優勝投手だった並木。
部活後はいつも同じ喫茶店で集まっていた。
しかし戦争が進むにつれて、自ら志願し軍隊に入るものが現れ、残っていたものも学徒動員により戦場に行くことになり野球部は解散することになる。
戦争のため自粛すべきだという声があがる中最後に喫茶店のマスターが集めてくれた人たちと試合をしてそれぞれ戦場に向かうことに。
その試合が、皆がそろった最後の試合になる。
肘を壊していた並木は、それでも戦争が終わったらピッチャーとして活躍するために、「魔球」を発明するとキャッチャーに約束する。
その後並木は、人間魚雷「回天」に搭乗員に選ばれる。
例え命中しなくても2度と戻ってくることはできない兵器。
命がけの訓練を重ね、そしてついに出撃の日を迎えるが故障により出撃することができない
そしてその後の訓練により並木は行方不明に・・・
後日海に沈んでいた回天を引き上げると、そこには、恋人に対する手紙等と一緒にキャッチャーに宛てた「魔球完成」の文字が
あまり物語がきれいに作られてて逆に回天の悲惨さが薄れてるところは少し残念。
ただ、それでも人が一人しか入れない狭い鉄の塊に将来のある若者が入り、一人で乗り暗い海の底に沈んでいくという兵器といっていいのかすらわからない兵器の怖さを感じることはできた。
そして人間が何かあればここまで非人道的になれるのだということを忘れてはいけないなって思った。
映画化もされています
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