今日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
39年前、西田啓子はリンチ殺人の舞台となった連合赤軍の山岳ベースから脱走した。5年余の服役を経て、いまは一人で静かに過ごしている。だが、2011年、元連合赤軍最高幹部・永田洋子の死の知らせと共に、忘れてしまいたい過去が啓子に迫ってくる。元の仲間、昔の夫から連絡があり、姪に過去を告げねばならず、さらには連合赤軍を取材しているというジャーナリストが現れ―女たちの、連合赤軍の、真実が明かされる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
桐野/夏生
1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、98年『OUT』で日本推理作家協会賞を受賞、2004年同作英訳が日本人初のエドガー賞候補となる。99年『柔らかな頬』で直木賞、03年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞、10年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞、11年同作で読売文学賞を受賞。15年には紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
あらすじ
39年前主人公の西田啓子は連合赤軍の山岳ベースから脱走した。
その後5年間服役し、現在は一人で静かに生きている。両親はすでに他界し、肉親は妹と姪のみ。
主人公は39年間人目につかないように地味に慎ましく生きてきたが、連合赤軍指導者の永田洋子死刑囚の獄中での死亡、姪の結婚、元同志であり一時的に結婚相手だった男の登場、仲間との再会等で彼女はずっと隠してきた過去と向き合うことになる。
感想
連合赤軍事件のことを私は詳しく知らない。
ただ過去にみた再現映像では、改革を目指した若者とたちがその出口を失っていく中で、仲間が仲間をリンチして殺していくというおぞましいもので、その中でも特に永田洋子は革命の名のもとに自分より美人な人への嫉妬などがにじみ出ていてそれはもう怖いものだった
ただ裁判官が
女性特有の執拗さ、底意地の悪さ、冷酷な加虐趣味
と永田を裁いたのはすごく疑問
なんだよ女性特有って。
という前置きありで読んだ本です。
あの事件の時に末端にいた女性目線で語られる事件。
革命のために子供を育てたいと思っていた女性たち。
でも主人公だけでなくあの時代最終的に間違った方向にいってしまったものの日本を変えたいと立ち上がった女性たちの割に、指導者だった永田も含め、ウーマンリブ運動とか言ってたけど結局男性の元でしか生きられなかった女性という感じでなんだかとても弱く感じました
そして男性だけだったらくだらない嫉妬なんかなく革命はもっといい形を迎えていたなんてとても思えないのに、あの時「永田の幼稚性」をクローズアップしすぎてしまったことしかもそれを女性特有のなんて言葉で補ったことで戦後もずっと女性は短絡的で感情的でバカというレッテルが張られてしまってる気さえしました。
ということを考えたくなるほど小説としてはとても面白かったです!
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