今日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
彼氏がいるのに、別の人にも好意を寄せられている汐梨。バイトを次々と替える翔多。絵を描きながら母を想う新。美人の姉が大嫌いな双子の妹・梢。才能に限界を感じながらもダンスを続ける遙。みんな、恥ずかしいプライドやこみ上げる焦りを抱えながら、一歩踏み出そうとしている。若者だけが感受できる世界の輝きに満ちた、爽快な青春小説。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
朝井/リョウ
1989年岐阜県生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第二二回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。13年『何者』で第一四八回直木賞受賞。14年『世界地図の下書き』で第二九回坪田譲治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
感想&ネタバレ
ちゃんと書いてるなぁというのが感想。
ありきたりすぎる20歳という若者の日常を切り取っているだけに見える小説だけど、20歳という年齢が抱える何とも言えない居心地の悪さというか大人からみれば「何に悩んでるの?若いのに」と一蹴されてしまうような一言でいうと青臭いと言ってしまえるのだろうかもう私には思い出せなくなっているそういうもやもやとした悩みとかも全部ちゃんと書いてある小説だった。
- しおりちゃん ひーちゃんと風人が友達 尾崎の彼女 美人
- ひーちゃん とっても美人。実はしおりちゃんが好き
- 風人 しおりちゃんとひーちゃんの友達 実はひーちゃんが好き。
- 尾崎 しおりちゃんの彼氏 翔多と同じクラス。たいしたことじゃないが口癖
- 翔多 尾崎と同じクラスの学生 椿が好き
- 椿 翔多と同じクラス。とても美人。モデルをしている。
- 礼生 翔多の友達 映画が好きで撮影もしている。最終的に椿と付き合う。
- 新 美大生
- ナツ 絵を描くのが上手
- 結実子椿の友達 新の絵のモデル
- 梢 椿の双子の妹 椿に対して劣等感をもっている 風人と友達
- ハル 翔多と同じバイト仲間で椿が好き。ナツの妹
ひーちゃんは線香花火
群馬から上京してきたしおりは美人。
友達は美人のひーちゃん・そして風人。そして彼氏は尾崎。
尾崎の口癖は「たいしたことないんじゃない」しおりは尾崎のことが好きだけど尾崎が何をいっても嫉妬してくれないのが不満でもある。
ある日ひーちゃんと風人と飲んで寝てた時に誰かにキスされる。
しおりはその相手が風人だと思い尾崎にも「友達にキスされた」と報告するが尾崎の反応はいつも通り「たいしたことないんじゃない」だった。
そんな時、ひーちゃんが事故にあったと風人から電話がある。実はひーちゃんがしおりを好きでそのことを伝えたら3人の関係が壊れてしまうのではないかと風人に相談していたのだ。
ひーちゃんの怪我は軽症だったもののしおりは色々な思いが混じって泣いてしまう
燃えるスカートのあの子
大学生の翔多は、大学で一目惚れした椿に夢中
翔多は同じ授業をとった映画をとったりしている礼生からも「大学生ぽい」と言われるThe大学生。
椿の同級生だというがわかったバイトが一緒のハルに椿について色々聞くけど希は薄そう。
でも彼と別れたことを知り、友達のオカジュンと一緒に暮らす合宿で告白しようとするが・・・
オカジュンは結実子に告白して見事恋人同士に、でも突然雰囲気をめちゃくちゃかえてきた椿をみて椿が新しく好きなことができたと悟った翔多はなんとか暮らす合宿を終えて帰ってくる。
その後礼生の撮影する映画の主演が椿と知り、その椿の礼生を見つめる目で椿の新しく好きになった人が誰かを悟る
僕は魔法が使えない
新には、ナツ先輩という仲良しの先輩がいた。
ナツ先輩は、先輩はさらっとセンスのある絵を描くので新は尊敬している。
新は最近父を交通事故で亡くしてる。父のつくるカレーはとてもおいしかった。それなのに1年もたたずに母親は新しい男を自分に紹介した。鷹野さんは悪い人ではないけど初めて会った時にカレーを作ってくれてそれが許せなくて思わずひどい言葉を浴びせてしまった。
そんな新にナツ先輩は人物像を描くことを勧める。
新は下北沢で出会った女の子(結実子)にモデルをお願いする。
結実子はその後新の母に出会い、自分とどこか似ている新の母をみて新が今本当はなにと向き合うべきかに気づく。
そして新は母とそして新しく父になるであろう人と向き合うことに
もういちど生まれる
梢と椿は双子。二人は幼馴染の風人と3人でいつも遊んでいた。
でも椿はメイクをするようになりモデルになり二人とは離れていく。
梢は椿のようには上手に生きていくことができない。読者モデルをしながらそれでもいい大学にうかった椿に比べて、たくさん努力したのに梢は今二浪している。
そんな椿は今度映画の主演を務めることになったらしい。椿はその映画監督のことが好きだという。
梢は椿の携帯を盗み見て、椿には内緒で椿のふりをして映画現場に行くことに。
スタッフたちはそのことに全く気付かないが、監督だけはそのことに気づいていた。
それでも撮影を続ける監督。
演技を終え梢は生まれ変わったようにスッキリした気分になる。
破りたかったものすべて
ハルは高校時代から皆にすごいといわれてきた。
そのすごいの波にのまれてプロを目指してダンスの専門学校に通っている。
兄のナツは美大で絵を描いている。友達の椿は大学生。
二人とも努力してない。私は違う・・・。
と思っていたけど非凡でない普通の自分に押しつぶされそうになるという話。
作中の心に残った言葉
大学って、そういうところだ。無責任を背負って、自由を装っている。