【山登りしたくなる】山女日記 湊かなえ

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

こんなはずでなかった結婚。捨て去れない華やいだ過去。拭いきれない姉への劣等感。夫から切り出された別離。いつの間にか心が離れた恋人。…真面目に、正直に、懸命に生きてきた。なのに、なぜ?誰にも言えない思いを抱え、山を登る彼女たちは、やがて自分なりの小さな光を見いだしていく。新しい景色が背中を押してくれる、感動の連作長篇。

著者について

一九七三年広島県生まれ。二〇〇七年「聖職者」で第二十九回小説推理新人賞を受賞。同作を収録したデビュー作『告白』はベストセラーとなる。一二年「望郷、海の星」で第六十五回日本推理作家協会賞(短編部門)、一六年『ユートピア』で第二十九回山本周五郎賞受賞。著書に『豆の上で眠る』『物語のおわり』『絶唱』『リバース』など。

あらすじ ねたばれあり

山女日記というブログがつなぐ連作短編集

妙高山

来月30になる律子。

登山が趣味のしのぶの提案で同期の舞子と由美と一緒に妙高山に上ることに。

ところが舞子が熱でドタキャン

しっかりしている律子大雑把で上司と不倫もしている由美を軽蔑していて二人の仲を取り持つ舞子がいないことは不安。

案の定由美は登山にふさわしくない格好で現れたりいちいち律子をイライラさせます。

けれど山に登っているうちに律子は由美の不倫を知っていることをカミングアウトしそのうえで自分の気持ちを伝え、さらに律子は結婚を決めた男性が当たり前のように結婚後親との同居を希望していることで悩んでいることなど自分の気持ちを伝えるようになります。

そして、ついに頂上に

頂上でコーヒーと由美のもってきたお菓子を食べながら、雄大な景色を前に律子は贅沢な気分に

結婚するかどうかはゴールでないと気づき下山。

火打山

バブル崩壊後田舎に帰ってきた奈津子は老人ホームで働いている

昔はモテていたのに40歳になるとお見合いもなくなり、婚活パーティにでかけそこで出会った神崎と火打山に登山に来ていました。

バブルの雰囲気が抜けなくてそのことにコンプレックスを持つ奈津子は「なぜ山に誘ったのか」を神崎に聞きます。

神崎の答えは誕生日プレゼントに登山用の靴を選んでいる時に美津子には意外と山が似合いそうだと感じたからだと答えます。

奈津子は実は元山岳部、自分の本来の姿に気づいてもらえてうれしくて神崎に、元山岳部であることとバブルのような恰好をしているけど庶民的な女だと告白。

すると神崎もまた無理をしていたと告白。

そこに1話の由美と律子が到着。

律子は同居は嫌、結婚はすると叫び

由美は不倫相手に離婚しろと叫んでいます。

それをみて美津子もバブルを脱ぎ捨てようと思って終わり

槍ヶ岳

主人公は1話で律子に山を進めたしのぶ。

彼女は幼いころから父親に登山を教えられ大学では山岳部に所属。

しかし集団行動が嫌で退部しています。

社会人になってからも父と槍ヶ岳に上りましたが父にアクシデントがあり頂上には到達できていません。

それで、今回しのぶは3度目の正直で一人で槍ヶ岳の頂上を目指すことにしました。

途中から本郷という男性と木村という女性と一緒に頂上を目指すことになるのですが、木村があまりにも初心者で徐々に遅れていきます。

夫を見返したいと木村はいっているのですがアドバイスも聞いてくれなくてうんざりするしのぶ。

ところが本郷と話すうちに余裕のなさは未熟な証拠だと気づき3人で協力して槍の途中まで到達。

最後は一人で山頂を目指すためしのぶはそこからは一人で登り始めて話は終わり。

利尻山

希美は田舎で翻訳家の仕事をしながら生活しています。

希美の姉美幸は医者の夫と七花という娘がいます。

2人はそんなに仲良くないのですが、今回美幸から誘われて利尻山に。

希美の今後の生活についていいたいことがあるのだろうと希美は美幸から話始めるのを待ちますが美幸は一向に話を始めず、希美の帽子をほめてくれたりします。

その帽子は大学時代の友人の手作りで今では大人気でなかなか手に入りません。

実は美幸は夫との離婚を考えていてそのことを考えるのに一緒にいて一番楽な相手を想像して希美を誘ったのでした

「晴れた日は誰と一緒でも楽しいんだよね。でも」

白馬岳

今度は美幸は主人公。

美幸と希美と娘の七花をつれて3人で登山

離婚についてまだ考えています。

自分の気持ちを殺してでも娘にとってベストな選択を取りたいと。

ただその後山がきつくなってきて美幸は二人についていくのが精一杯。娘は自分がママをひっぱるといってくれますが娘に悪いと断る美幸。

でも。もう娘は守られるだけの存在でなくなったと気づき、手をひっぱってもらい頂上へ。

そのたくましい姿の写真を夫に送信して終わり。

金時山

1話目で風邪で休んだ舞子。

あの日以来なんだかんだとうまくやってる律子と由美にもやもやしている舞子。

富士山に登りたい舞子に彼氏の大輔は共に登ろうと言ってくれますが、まずは予行練習ということで別の山に登ることを提案してきました。

富士山と縁がある山で名前は金時山。

体力のある舞子は余裕で登れたので内心がっかりしていましたが、山頂からはきれいな富士山が見えました。

大輔は昔、証券会社で大失敗をして退職した過去があり、その後演劇に出会ったことで数字ではない魅力に目覚めたという話をきき舞子が感銘を受け、富士山よりも素敵な登山デビューになったと思うところで終わり

トンガリロ

希美の帽子を作った友人柚月。

柚月は恋人のヨシダとニュージーランドで合流しトンガリロのトレッキングを始めます。

自由奔放なヨシダは今の会社をやめて国際ボランティアに応募し発展途上国で働きたいと打ち明け、柚月もそれを応援していました。

ところが1年後もヨシダは会社を辞めていません。

逆に柚月は帽子づくりを本格的にしたくなり専門学校に通うことにしましたが、ヨシダにはそれが逃避にしかうつらず二人は破局。

そして時が流れ15年後、柚月はまたトンガリロのツアーに。

そこには結婚した神崎と美津子なども参加していました。

美津子は柚月の帽子をかぶっていて柚月の作った帽子を喜んでいてくれているのをみて柚月はこの選択は間違ってなかったと気づきます。

そして過去の思いに決着をつけまた歩き出したのでした

カラフェス

結局姉の美幸は離婚せず今も家族3人で幸せそうにしている。

希美は共に登山する仲間を見つけようとしていた時に、山女日記のブログに自分と同じような境遇のクマゴロウという20代の女性を見つけます。

そこには返信で「山フェスに参加してみては」と書いてあり、希美もその山フェスに参加してみることに。

そこで声をかけてくれた同じ初フェスの女性が実はクマゴロウ。

2人は意気投合し、北穂高の登り次は槍ヶ岳を目指すところで終わり。

まとめ 

母親が登山が趣味なのですが、実際一人で登っているときに偶然会って話した人次の時に別の山で出会ったなんていう素敵な偶然が山ではあったりして山登りは楽しそう。

私は体力が60代の父母よりないので無理ですが、それでもトレッキングくらいならしてみようかなって思わせてくれる本でした。

こんな人にお勧め

  • 山を登るのが好きな人
  • 何かをコツコツしながら考え事をするのが好きな人

この本を読んだらきっと山に登りたくなる



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