【田舎の島の短編集】望郷 湊かなえ

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

暗い海に青く輝いた星のような光。母と二人で暮らす幼い私の前に現れて世話を焼いてくれた“おっさん”が海に出現させた不思議な光。そして今、私は彼の心の中にあった秘密を知る…日本推理作家協会賞受賞作「海の星」他、島に生まれた人たちの島への愛と憎しみが生む謎を、名手が万感の思いを込めて描く。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

湊/かなえ
広島県生まれ。2007年「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞。08年、同作を収録したデビュー作『告白』が刊行され、同年の「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第1位に選出、09年第6回本屋大賞を受賞。12年、「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

あらすじ

故郷への思いを書いた短編。

みかんの花

かけおちして出て行った姉は有名な作家になって25年ぶりに島に戻ってくる。
なぜ25年間一度も島に戻ってこなかったの?そしてなぜ急に戻ってくることになったの?残された妹は疑問に思う。

島を出ることができない母の面倒をみる妹の東京で華のある生活を送っている姉に対する嫉妬が書かれた作品かと思っていたら

ここからネタバレ

実は駆け落ちは嘘家の財産を狙っていたいた男を殺してしまった母の代わりに姉は男と駆け落ちしたふりをして母親の罪を隠してあげていた。

じっとりした話
主人公のおばさんがじめっとした性格だからか全体からカビの生えそうなじっとりとした感じが出ている。
みかんの花という題名から感じる爽やかさは一切ないのがいい。

海の星

突然行方不明になった父を毎日散歩しながら探す主人公と母そんな二人の生活に、ある男が入ってきて・・・。

釣りで出会った男真野のことを母も子供の洋平も母親目当てで来ているのかと思っていて、だから「父親はもうなくなった。楽に生きる道を探した方がいい」と言ってきたのかとおもったら、本当は漁師の真野の網に父親の死体がひっかかってたけど面倒だし風評被害もあるしでそのまま海に流したことへの罪悪感から二人にやさしくしていたということがわかる話。

行方不明で見つからない人の中にはこういう人もいるんじゃないかなっと思いました。
確かに漁師さんにとっては面倒でしかないものね。
それにしても求婚しにきたと思い込み結果追い返してしまって、事実がさらに闇にうもれてしまうところだったっていうのも実際ありえそう
案外こういうことで闇に埋もれたっていっぱいあるんだろうなと思いました

夢の国

田舎で権力をふりかざしている祖母の元なるべく波風たてないように暮らす父と母と娘
遠い東京にできたディズニーランドに行くなんて夢のまた夢な生活をおくる主人公

そしてその後結婚し祖母がなくなっても今度は夫の病弱な母親の面倒を見ることになり、自由はない生活

そして今。

主人公は夫と娘と3人でディズニーランドに(小説では微妙に文字をかえていたかな?)もうかなわない夢はないと気づく

偉そうな人はもちろん、その偉そうな人に考えることもやめただペコぺコする人が大嫌いなので読んでてイライラしちゃいました。
救いのあるラストでよかった。

雲の糸

歌手として現在成功している主人公だが、母が父を殺してしまった為、島になんて二度と戻ってきたくなかったのに、いじめっ子の頼みを断りきれずにまた戻ってきてしまった

いつまでもへこへこしている母親に苛立つ息子

しかし本当は母も姉も主人公が嫌がらせをうけないために守るために必死だった

そもそも母が父を殺したのも、父が主人公を本当の子ではないと思い込み殺そうとしたのを守るためだったと分かり。

母と姉の愛に気づく主人公。

よかった。最後に救いがあってこれこそよかった。

でも息子を守るためにもこんな島出て行ってしまえばよかったのに、って母親の容量の悪さというかいい人だけど不器用なところがやっぱり読んでてもやもや

石の十字架

これは印象が薄いなぁ。
島で災害がおきて娘と主人公の二人は必至に助けを待っている状況で思い出す主人公の千晶がまだ思春期の頃の話。

根も葉もないうわさだけど、父が自殺し母が精神病に入ったため祖父母を頼って島にやってきたといわれていた千晶。

そんな千晶にとって大切な友人めぐみが自分に悩み事を話してくれなかったことで二人の仲は・・・・

こんな理由で相手のことを嫌いになるのは女子ならではなんだろうな

でもその後も薄くではあるものの二人はつながっていて、無事救助された千晶はいじめを受けていた娘の志穂をつれてあの島に帰ろうと決意する。

そしてめぐみに相談してみようと

光の航路

かつて住んでいた島で教師をする主人公。
主人公のクラスでは今いじめが問題になっている、加害者の親がクレームをつけてきているのだ。

主人公はこんな時教師だった父ならどうしただろうと思い、それと同時に父との確執をうむきっかけとなった進水式を思い出す。
父はなぜあの時僕じゃなくて別の男の子と進水式をみたのだろうか?

ネタバレ

想像通り父親と進水式を一緒に見ていた少年は当時いじめられていた少年。父親は進水式をその子にみせて「祝福されて海に飛び出したのだから沈ませるわけにはいかない」と少年に告げその後いじめを解決した。

それを聞き主人公も今問題になっているいじめから逃げないことを決意する

まとめ

田舎らしいきゅうくつな感じや寂れた感じや鬱屈とした感じが、共通して描かれているので短編だけどつながってる感じがよかったです。

この人は短編がむいている気がするな。

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