【殺人者になることができない男の話】殺人の門 東野圭吾

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

「倉持修を殺そう」と思ったのはいつからだろう。悪魔の如きあの男のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。そして数多くの人間が不幸になった。あいつだけは生かしておいてはならない。でも、私には殺すことができないのだ。殺人者になるために、私に欠けているものはいったい何なのだろうか?人が人を殺すという行為は如何なることか。直木賞作家が描く、「憎悪」と「殺意」の一大叙事詩。

著者について

●東野 圭吾:1958年大阪市生まれ。大阪府立大学電気工学科卒。1985年「放課後」で第31回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。1999年「秘密」で第52回日本推理作家協会賞を受賞。2006年「容疑者Xの献身」で第134回直木賞を受賞。

あらすじと感想

殺意が殺人につながる人間殺意を抱くだけで終わる人間

そこには深い谷があってほしい

主人公は裕福な暮らしをしていた人のいい和幸

ところが祖母が亡くなってから、両親が離婚し、父が廃業し、いじめにあい・・・とどんどん人生がオセロのように裏返っていく。彼はそのすべてに同級生の倉持修が関与していると考え彼に対して強い殺意を持つが・・・

何度も何度も修を信じようとする和幸にイライラしながら読んでしまいましたが修の周到さがあればもっと正当な方法でお金を稼ぐこともできたのにしつこく和幸に執着していることにもぞっとしました。

「なぜ殺せないのか?」

「自分が殺人者になるために欠けているものは何なのか?」

が永遠と続くように思われる小説でした。



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