【3つの物語が絡み合う】PK 伊坂幸太郎

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

人は時折、勇気を試される。落下する子供を、間一髪で抱きとめた男。その姿に鼓舞された少年は、年月を経て、今度は自分が試される場面に立つ。勇気と臆病が連鎖し、絡み合って歴史は作られ、小さな決断がドミノを倒すきっかけをつくる。三つの物語を繋ぐものは何か。読み解いた先に、ある世界が浮かび上がる。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

伊坂/幸太郎
1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。’04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。’08年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞と第21回山本周五郎賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登場人物

  • 小津    サッカー日本代表小さいころいじめられてた
  • 宇野    サッカー日本代表小さいころいじめられてた
  • 大臣    小津がPKを決めた原因を探る。昔子供を救った
  • 秘書官   大臣の秘書
  • 作家    大臣の父
  • 本田    未来がわかる青年 大臣が救った子供
  • 田中    いつもの足の悪い田中

あらすじ

PK

ワールドカップの予選。

いつもと様子が違う小津だが、最後PKの時に幼馴染の友達宇野が一言声をかけた後小津は調子を取り戻し点を入れる

 大臣は宇野が小津になんと声をかけたのかを秘書に調べさせる(今大臣は圧力と戦っていて勇気が欲しいから)が宇野も小津も試合の数か月後に亡くなっていて真相は闇の中

その闇の中の真相の一つに、宇野と小津が小さいころ、サッカーなんてやめようといいながら下校していた時に、マンションから落ちてきた子供を救った議員をみて勇気をもらったというエピソードがあります。

 この大臣の父は作家昔ゴキブリが出現したおかげで、浮気がばれずに済んだという過去があること(これが後の蜜使につながる)次郎君という謎のキャラを使い子供が悪いことをすると、「次郎君のように〇〇になるよ」という恐怖によりしつけをする方法をとっています。また、父も原稿を修正しろという圧力と戦ったという記述もあります

大臣は新人議員のころマンションから落ちてくる子供を、ダイビングキャッチして救った過去があります。

 なので勇気の伝染としては大臣が子供救う⇒サッカー選手勇気もらう⇒PKみて大臣勇気もらうという図式になります。 

超人

小説家三島の元に怪しいセールスマン本田が訪れる。(この家には居候の足の悪い田中もいる)

本田には予知能力がありそれは、メールが送られてくるとそこには誰かが未来に起こす殺人について書かれていてそれが本田のみ読むことができるというもの

そのことがわかってから本田は手に届く範囲でその殺人が行われる前にその犯人(まだ殺してないけど将来殺すであろう人)を先に殺している

ところで大臣は圧力に負けず政治活動をしていた。

(ただゴキブリがあらわれず作家は不倫がばれているのでPKとは違う時間軸?)

大臣は昔自分が救った子供と会食することに、その子供こそが本田。

本田のメールにはこの会食の前に、この大臣が10年後1万人殺すと書いているのをみていて会食時に大臣を殺そうと計画するも、他にも大臣を殺そうとしている人らが現れそれをスーパーマンらしき人物が倒していくのを目撃。

そしてその後あのメールは誤りでしたというメールが届く

※このスーパーマンのくだりが私にはちょっと意味不明。

蜜使

握手をすることでその人の時間を6秒奪うことができる大学生

その大学生のもとに謎の人物から指令が、それは「ある施設に忍び込みゴキブリを盗み出して欲しいというもの」たくさんの人物と握手し時間を奪った大学生は研究施設から免疫機能を持つゴキブリを盗もうとします。

一方、研究施設内では<私>がある説明を受けていました。

その説明によるとゴキブリを過去に送ることにより連鎖反応で、世界を襲う病気?の侵攻を食い止めるというもの、ただ時間軸がずれてパラレルワールドができてしまえばAとA’という別の時間軸ができてしまい事故を防げたとしてもそれはA’の世界だけでAは変わらないので、その時間が分岐しない範囲で未来を変えなければならず(ややこしい?)計算して計算して計算した結果<私>だけが死ぬ以外に絶望的な変化も分岐も生じないという計算になったというもの。

なので世界のために死んでねごめんね。と説得。

で、ゴキブリを過去に送り込もうとしたら、前述の大学生がすでにゴキブリを盗んでいたそしてそこにあるメモリーカードには「もっといい方法がみつかりました」と書いてあったというところで物語は終わり。

これがこの小説の核。

これを読んでからもう一度PKと超人を読み直すと意味がつながります

感想

いつも物語の流れと実際の時の流れが一致していない伊坂作品ですが時間軸もずれているため何が何だかよくわからないとなりました。

多分何度も読めばもっと面白いんだろうな

PK シミュレーションの中の世界

結局ゴキブリ使って過去にってのはなくなったので、PKはゴキブリを使って未来を変えようとしていたシミュレーションの中の世界になるのかな?

なのでフランスワールドカップになってしまってる。

さらにこのシミュレーションでいくと勇気により小津はPK決めちゃってるし、大臣はそれに勇気もらって偽証しないと思うので未来はシミュレーションより暗くなりそう

超人 現在の時間軸と同じ軸のストーリー

で、超人が現在の時間軸と同じ軸のストーリーと私は解釈。

ということは、大臣の父親は妻に浮気がばれてるな

未来は救えたとしても作家にとっては悲惨だな( ´艸`)

 好きな言葉

臆病は伝染する。そして勇気も伝染する。

というアドラーの心理学に書かれている言葉



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