【二宮和也主演映画原作】プラチナデータ 東野圭吾

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

犯罪防止を目的としたDNA法案が国会で可決し、検挙率が飛躍的に上がるなか、科学捜査を嘲笑うかのような連続殺人事件が発生した。警察の捜査は難航を極め、警察庁特殊解析研究所の神楽龍平が操るDNA捜査システムの検索結果は「NOT FOUND」。犯人はこの世に存在しないのか?時を同じくして、システムの開発者までが殺害される。現場に残された毛髪から解析された結果は…「RYUHEI KAGURA 適合率99.99%」。犯人は、神楽自身であることを示していた―。確信は疑念に、追う者は追われる者に。すべての謎は、DNAが解決する。数々の名作を生み出してきた著者が、究極の謎「人間の心」に迫る

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

東野/圭吾
1958年大阪府生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。85年「放課後」で第31回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。以後、数多くの話題作を発表し、人気を博す。99年「秘密」で第52回日本推理作家協会賞、2006年「容疑者Xの献身」で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 

ネタバレありあらすじ

犯罪現場に残されたDNAを容疑者のDNAと付き合わせる現在の方法とは違い、近未来のこの世界では現場に残されたDNAから身長・年齢・肌の色・顔の形などあらゆることを解析することができるシステムが構築されている。

さらに登録された一般市民のDNAの中から犯人または犯人の親戚までヒットさせることができる。

そんなDNAでの捜査を可能とするDNA法案が国会で可決れ、犯罪の検挙率は爆発的に上がった。
警察も今までの地道な捜査から、DNAから導き出されたモンタージュ写真もしくは登録されているDNAの中から犯人もしくは犯人の親族がヒットしたらその人物を捕まえればいいという仕事にかわっていく。

そんな中、連続婦女暴行殺人事件が発生。

しかも犯人の体液が残されていたにもかかわらず研究所の検索結果は「NotFound」

さらにこの「NotFound」の件について話がある、という言葉を残してそのシステムの開発者蓼科早紀蓼科耕作まで殺されてしまう。

解析の結果開発者を殺した犯人は研究所の神楽であると導き出され・・・・・

ここからネタバレ

神楽は2重人格という秘密があって自分が確実には犯人ではないと言い切れない・・そのことを知っているのは担当医師の水上洋二郎

この水上洋二郎が犯人。DNA法案を可決する際に一部の権力者のDNA情報を「プラチナデータ」に指定し検索したDNA情報がプラチナデータに該当する場合は検索しても「NotFound」になるように設定されていた。水上洋二郎のDNAもプラチナデータになっており、水上洋二郎は電気ドラッグ(脳に電気で刺激を与えることで麻薬のような高揚感を得られる)装置のさらにパワーアップ版の実験をする過程で死んでしまった女性を犯すことで実験の上での死亡だということを隠していた。

蓼科早紀は犯人がプラチナデータの中にあると考えプラチナデータの中を検索するプログラムを完成させていたため水上洋二郎に殺されていた

感想

最初にシステムについて読んでいる時にこんなシステム本当に国会が通すかな?国のえらいさん(もしくはその親戚)が事故を起こしてももみ消せないじゃないか」という疑問にぶちあたったので、題名の「プラチナデータ」って重要人物のデータのみをDNA検索から保護することじゃない?っと珍しく冴えてました笑

一つ気になったのは、NotFound13の人物の婦女暴行事件の意図

意図がわからない・・・っとずっと不思議に思っていたら、結末が水上の研究のための人殺し

いやその動機はこの際いいのです。

問題は研究のために、痕跡である精液を残すため死体を犯したってところそこまでするか?逆にそれなら死体を焼いてしまったり切ってしまったりして実験の痕跡を消しただけの方が怪しくなくない?

死んだあとに犯したならこのNotfound13の精液を残すためにわざと??って想像されちゃいそうでなんかそのあたりだけ無理矢理感ありました。

小説の内容は現在の技術では出来ないので未来の話になるのかな?今でもできるのかな?よくわからないけど「いかにもありそう」なので全然違和感なく読めました。

なので、国会で今後DNA法案が可決されたらまっさきにプラチナデータの存在を疑ってしまいそう

絶対作っちゃうと思うプラチナデータ。

ちなみに国家権力とか出てきますが、読んだ後で「うーーーん」と考えてしまうような重い作品ではなく、読後は2時間のジェットコースタームービーをみたような気分になるエンターテイメント性の強い作品だと思います。

映画もその後みたのですが、小説と大枠はあっているものの細部はかなり違っていました。

でも映画でのニノのアクションシーン二重人格を演じ分ける演技力鈴木保奈美の狂気あふれるシーンがとても面白かったです。



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