82年生まれ、キムジヨン

内容(「BOOK」データベースより)

ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかのようなキム・ジヨン。誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児…彼女の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。女性が人生で出会う困難、差別を描き、絶大な共感から社会現象を巻き起こした話題作!韓国で100万部突破!異例の大ベストセラー小説、ついに邦訳刊行。

著者について

1978年ソウル生まれ、梨花女子大学社会学科を卒業。卒業後は放送作家として社会派番組のトップ「PD手帳」や「生放送・今日の朝」などで時事・教養プ ログラムを10年間担当。2011年、長編小説「耳をすませば」で文学トンネ小説賞に入賞して文壇デビュー。2016年『コマネチのために』でファンサンボル青年文学賞受賞。フェミニズムをテーマにした短篇集『ヒョンナムオッパへ』(タサンチェッパン)に「ヒョンナムオッパへ」が収録されている。 『82年生まれ、キム・ジヨン』で第41回今日の作家賞を受賞(2017年8月)。大ベストセラーとなる。2018年『彼女の名前は』(タサンチェッパン)、2019年『サハマンション』(民音社)刊行。

あらすじと感想 

子どもを育ていてたキムジヨンはある日突然友人の人格が憑依したかのような態度をとるようになり、心配になった夫は彼女を病院に連れていく。

そしてその病院でキムジヨンが産まれてから今までの人生を振り返るというていで話が進みます。

基本的には「あれ?なんで男っていうだけで弟は家事をしなくていいの?」みたいなあれ?という疑問がキムジヨンの人生にはいくつもあらわれてでもそのすべてが当たり前のこととして存在しててそのまま大人になっていってしまうという話。

ほぼ同年代のキムジヨン。

韓国と日本がで違うところもあるけどでも同じ時代だからか似ているかもしれない。

私が小学校のころも出席番号は男の子の次に女の子と続いていたし、学生のころに痴漢にあった時に助けてくれたおばさんと駅員さんにはやんわりだけど「あんまり短いスカートをはかないように」と注意を受けたし

私の母親世代は働くこと自体が難しかったけどあなたたちは男女平等の世の中になったんだからといわれてたけど就職も私の時代は韓国ほどではないけど男子よりずっと女子の方が大変だったし、総合職で入社したけど同期の男子にはない課内の全員分のお茶を入れる仕事が女子にはあっし

結婚でやめる子は少なくなってたけど、妊娠しても続けられるのは一部の大企業で制度がしっかりしてるところか、実家が近い子か、それか出産しても一切仕事の量を変えないスーパーウーマンみたいな子だけだったし、小説で女性課長がそういうスーパーウーマンの登場が「でも〇〇さんは出産後も一切休まなかったし早く帰ったりしなかったよ」という前例を作ってしまい後輩が子供を産んだ後に仕事を続ける道をさらに狭くしてしまってるところなんかも

でも多分男性側が同じ小説を書いても韓国や日本は割と同じような小説が書けるんじゃないかな。

日本や韓国がこういう傾向が強いのは男尊女卑思考が強いというより、女性は男性より弱く守らなければならいという思考が強かったからではないかなって私は思っててだから女性がさせてもらえなかった色々なことは逆に男性がしんどくてもつらくてもさせられてきたから。

そして私も含めてその守らなければに甘えたことが女性は結構あるんじゃないかなぁ

なので男性は男性で女性はずるいと感じる気持ちもすごくわかる

お互いそのあたりをフラットにできればいいんだけどなぁ。

それを享受しまくって生きている女性にとっては男女平等を求めるよりもずっと楽に生きれるし完全に男女平等な世界になると今と同じ仕事に就けない男性がたくさん出てくるから男性も完全な男女平等にはなってほしくないと考えている人いそうだからなかなか難しいんだろうなぁ

さらに少し享受した私ですら「女性ってだけで不利なことがたくさんあったんだからこれくらいいい思いしてもいいだろう」という気持ちがどっかにあってそういうこっちが嫌な思いしたんだからそっちも精神が一番問題を解決することから遠ざけてるな・・・

などだらだら考えたりする小説でした。

あ、あとキムジヨンの話をずっと聞いてきて、かつ優秀だったのに仕事を辞めて今は小学生の算数の問題集を解くことだけを楽しみにしているという妻がいる医者が、スタッフの退職に対して「すぐやめられたら困るし今度採用するなら未婚の女性だな」と考えてるという最後の一文がかなりホラーでした



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