内容(「BOOK」データベースより)
「私、未来から来たの」。劇団「うさぎの眼」に所属する駆け出しの役者・和希の前に一人の美少女が現れた。彼女は劇団内で起きた殺人事件の容疑者を救うため、27年の時を超えて来たというのだ!彼女と容疑者との関係は?和希に近づく目的は?何より未来から来たという言葉の真意は?錯綜する謎を軽妙なタッチで描く青春ミステリ。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
貫井/徳郎
1968年東京都生まれ。93年、第四回鮎川哲也賞の最終候補作「慟哭」でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
あらすじ&感想
最初は智美さんと和希(主人公)がカフェで近況報告しているシーンから入る。
本を読むようになった和希が最近読んだ本の感想などを智美さんに話している。
そこでSF小説の話になった後「そういえばあの女の子は?」と智美さんが聞く。
ここまでがプロローグ(本編の2年後の話)
そして2年前。
劇団に所属している和希はある日劇団の前でコンタクトをなくして困っている女性と出会う。彼女の名前は萩村祐里。彼女は劇団のそして主催者の新城の大ファンらしい。
とてもかわいい子だったが、和希はかなり前からとてつもなく美人の智美さんに片思いしていたため祐里ちゃんのこともかわいいなと思ったくらいで特に何も思わなかった。
でも新城さんにプレゼントを渡したいといったり劇団のことを話してほしいというお願いは聞いてあげる仲に。
そして舞台公演初日の翌日祐里は今までとは違うお願いを和希にする。それは劇団ナンバー2で新城さん(既婚者)の不倫相手でもある江藤佳織さんの控え室を見張ってほしいというもの。
しかも理由は話せないらしい。
意味が分からないままその要求を受けた和希はその約束を守ってあげる。ただ自分の出番の時だけは自分の同期の劇団員剣崎にお願いする。
そして最終日。無事講演が終わった直後、彼女が控室で殺されていることがわかる。どうやら剣崎がトイレ&メールをするために控室から離れた3分ほどの時間の間に殺された模様。
なぜ祐里は今日のことが起こることを知っていたのか?和希は問い詰めると祐里は自分は新城の孫で未来からタイムスリップしてきたという。この後おじいちゃんである新城が冤罪(と彼女は信じている)で捕まり新城の子供である父は犯罪者の子供として不遇の人生だったから過去に戻れたなら(偶然タイムスリップしたらしい)過去を変えたいと和希に伝える。
ここからネタバレ
勿論こんな話和希以外誰も信じてくれないが、和希だけは半信半疑ながらも彼女を助ける。
実際彼女はタイムスリップしてきてたんだけど、それは1回じゃなく複数回。しかも時間の軸通りにやってこれるわけじゃないので(現在のⅠの場所にやってきて戻った後、再度来るときには前回帰った場所の後からスタートするわけじゃない)今どういう状況なのかを常にネット上のファイルに書いてわかるようにしていた。(なので話の中であれって思うことがああったりした)
で、そうやって一生懸命祖父の逮捕を阻止しようと思っていたのだけど、何をどうやっても未来を変えることはできないらしく殺人は起こってしまうし、真犯人がだれかわかるもその真犯人は死亡してしまい、証拠もなくなり、新城さんはつかまってしまう。
さらに真犯人が和希を殺そうとするのを阻止するため祐里は死んでしまう(その後別の時代の祐里がその続きの時間軸にやってくるので死んでないように感じるが)
和希はすでに祐里を好きになっていたので、その後やってきた祐里にもうこのまま未来に戻らないように頼むもやっぱりそれを止めることは誰にもできなくて祐里はいなくなってしまう
みたいな終わりでした。
未来からきたんだったら犯人すでに分かってるのでは?といった疑問や真犯人がわかったら未来がかわって祐里が来る必要なくなってとぐるぐる回っちゃうのでは?みたいな疑問はタイムスリップする設定でうまくカバーできていて理解しやすいのでSFとか苦手でも読めます
ただ、なんだか得たいの知れない女の子のわがままに付き合わされてまくってでもそのうちにその女の子のことが好きになっちゃう
っていう設定がよくありすぎてお腹いっぱい。
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