訪問者 恩田陸

内容(「BOOK」データベースより)

山中にひっそりとたたずむ古い洋館―。三年前、近くの湖で不審死を遂げた実業家朝霞千沙子が建てたその館に、朝霞家の一族が集まっていた。千沙子に育てられた映画監督峠昌彦が急死したためであった。晩餐の席で昌彦の遺言が公開される。「父親が名乗り出たら、著作権継承者とする」孤児だったはずの昌彦の実父がこの中にいる?一同に疑惑が芽生える中、闇を切り裂く悲鳴が!冬雷の鳴る屋外で見知らぬ男の死体が発見される。数日前、館には「訪問者に気を付けろ」という不気味な警告文が届いていた…。果たして「訪問者」とは誰か?千沙子と昌彦の死の謎とは?そして、長く不安な一夜が始まるが、その時、来客を告げるベルが鳴った―。嵐に閉ざされた山荘を舞台に、至高のストーリー・テラーが贈る傑作ミステリー。

著者について

1964年、宮城県生まれ。早稲田大学卒。91年、第3回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。以後、ミステリーやSFをはじめ、多彩なジャンルで軽やかな作風ときらめく感性で、第一線の活躍を続ける。2005年に『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞と第2回本屋大賞、06年には『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞長編部門、07年に『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。

あらすじ&感想

山中の洋館。この洋館を立てた千沙子はある日湖で亡くなっていて、さらに千沙子が育てた映画監督の峠昌彦もここに訪れる途中で亡くなっている。

主人公の男は自分は殺されるかもしれないといっていた峠昌彦の書いた遺書を持って、一族が集まっていた洋館を訪れる

この中に昌彦の父でかつ昌彦を殺した男がいるはず…。

って感じで始まりは昔ながらのミステリーという感じ。いい感じに道も土砂崩れが起こって陸の孤島になるし。

長女・長男・次男・三男・お手伝いさん・不審な連続死などほんといかにもなん感じだったのですがその後はあれ?そういう感じじゃないの?といい感じに騙されました。

よくよく考えるととても現実的な着陸。

2時間サスペンスとかみながら「こういう事件って物語としては面白いけど実際にはあり得ないよね」「じゃぁここで殺人が起きたらどういう理由だと思う?」みたいな話をそのままつきつめてちゃんと小説にした感じです(伝わる?)

ただ恩田さんが書いてるだけあってラストまでずーーーっと不穏な空気は流れててそこがわくわく手がとまりませんでした(習い事の送迎を忘れるくらいw)



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