ある男 平野啓一郎

登場人物

城戸章良
弁護士。谷口里枝から死んだ夫の身元調査を頼まれる。

谷口大祐 と名乗っていた男
林業で働く青年。町で知り合った里枝と結婚するが、ある秘密をもっていました。

谷口里枝
谷口大祐と名乗っていた男の妻。大祐の死後、夫が谷口大祐ではないとわかり城戸に相談

あらすじと感想

この小説の主人公は城戸。他人に成りすましていた谷口ではなく。谷口と名乗っていた男は誰なのか調査する弁護士が主人公です。

宮崎の小さな町で文具店を営む谷口里枝。元夫とは幼い息子のガン治療をきっかけに離別。その後息子(がん治療を受けていた子はなくなっている)と母と暮らしていましたが、文房具を買いに来たことをきっかけに大祐と知り合い再婚しています。

その大佑との間にできた娘が3歳の時今度は夫が仕事中に伐採した木の下敷きになり亡くなります。

大祐は実家と縁を切っていると聞いていたので悩みましたが一周忌を迎えたことをきっかけに大祐の実家に連絡したところ老舗旅館の跡継ぎになっている大祐の兄が弔問に訪れます。そこで亡くなった夫が大祐ではないことがわかります。

里枝は前の離婚の時に世話になった城戸に調査を依頼します。

城戸は大祐が昔付き合っていた女性等に接触して大祐の行方とXの正体を探ります。

そして戸籍交換を行うブローカーの存在を知り・・・・

結局 父が犯罪者で戸籍を変えたいと思っていた男がXで谷口大祐と戸籍を交換してました(Xはそれ以前にも戸籍交換している)

とまぁ結局は戸籍交換していただけという話なんだけど(いや戸籍交換自体は大事件なんですけど)

主人公である弁護士の城戸さんが自身が在日3世でそのことで震災以降あたりから目にするヘイトスピーチで心悩まされてたり、谷口大祐の元かのにほのかな恋心をもったりして話的にちょっともったりしました。

わざわざプロローグで作家が谷口を名乗っていたXではなく城戸さんを主人公で小説を書くに至ったエピソードを差し込んでいるので城戸さんを主人公にすることはこの小説で大事にしたい部分だったんだろうけど正直谷口さん夫婦のどちらかもしくは息子くんが主人公の方が面白かった気がするな



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