十字架のカルテ 知念実希人

あらすじ&感想

精神鑑定の権威影山先生のもとで一緒に精神鑑定をする主人公の話

すごく読みやすくてサクサク読めてそこそこダークでとても好みの小説でした。

闇を覗く

あきらかに統合失調症と思われる主人公が起こした、無差別連続殺人事件。

供述もそれまでの症状も明らかに統合失調症だと他の鑑定医は鑑定するが・・・。

統合失調症を思わせて罪から逃れたいわけではないところが闇深い話。

母の罪

乳児と一緒に飛び降りた女性。産後うつ病の典型的な症状だと考えられたが、彼女は最後に「悪魔が現れて娘を殺せと言ってきたから飛び降りた」と述べる。

産後うつ病と診断され自分の罪が問われないことを避けるために彼女がわざと詐病を疑わせようとしているという話。産後の眠れない中で追い詰められた彼女を思うと心が痛い

傷の証言

統合失調症を患う男が姉を刺した事件。診断結果も被疑者は明らかに統合失調症であることには疑いの余地はないが刺された姉の証言に引っかかる点があり・・。

壊れていく弟をどうにかして助けたいと姉が考えて計画した事件。

時の浸蝕

統合失調症と判断された男、でも実際は統合失調症ではなく・・・

覚せい剤怖い

後一人娘を殺された父親がわざと被疑者を無罪にしたがるというくだりはこれまでも小説で何度か読んできたけど本当に親の気持ちを思うと・・・

闇の貌

かつて主人公の友人殺した犯人、彼女多重人格者でまたその彼女の隠れた人格よる殺人事件起きた。

多重人格者あることには違いないが、いつの間にか別の人格が出てきて彼女を殺したではなく、その人格(彼女にとって一番嫌いな父親人格)をわざと呼び出して殺人していたいう話。

そして大嫌いな父の人格を消す治療をもう一度受けることで、大嫌いな父をもう一度殺せるという快楽味わいたかったという話 闇深い



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