今日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
宮下愛子は幼い頃、偶発的に起きた誘拐事件に巻きこまれ失明してしまう。そして12年後、彼女は再び何者かに連れ去られる。いったい誰が、何の目的で?一方、人気慢画家の江間礼遠は突然失踪した妻、優奈の行方を必死に捜していた。優奈は誘拐事件の加害者の娘だった。長い歳月を経て再び起きた「被害者」と「加害者」の事件。偶然か、それとも…!?急展開する圧巻のラスト。大注目作家のサスペンス・ミステリー。
著者について
●芦沢 央:1984年生まれ。千葉大学文学部卒業。出版社勤務を経て、2012年『罪の余白』で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。著作に『今だけのあの子』『悪いものが来ませんように』『いつかの人質』『雨利終活写真館』『獏の耳たぶ』、最新作に『バック・ステージ』がある。
あらすじ
幼少期にショッピングモールで母親が目を離したわずかな時間で連れさられてしまった宮下愛子。
事件は偶発的に起きてしまった無意識誘拐だったが、愛子は階段から落ちたことにより失明して両親のもとに戻ってくる。
12年後、愛子は友達といったコンサート会場で再び誘拐されてしまう。
犯人は12年前愛子を誘拐した犯人の娘である可能性が高いとわかり警察が容疑者の行方を追うが・・・
ネタバレ
幼少期の誘拐
母親が体調が悪くトイレに行っている間に泣いている愛子に声をかけた優奈とその母親。
母親は愛子におもちゃをあげようとして3人で駐車場に向かったところで仕事の電話がかかってきて後部座席に愛子を乗せたことも忘れ仕事に行ってしまう。
夜中に帰ってきてようやく愛子を連れて帰ってきてしまったことに気づくが階段から落ちて意識を失ったことや娘の優奈のことを考えて偽装誘拐を装うもばれてしまう。
2度目の誘拐
目が見えない愛子を連れ去ったのは、人気漫画家である優奈の夫江間礼遠。
優奈が離婚を告げて夫の元を去り、優奈の居場所が分からなくなった夫が優奈を誘拐犯と警察に思わせることで警察に優奈の行方を捜してもらおうと考えて起こした誘拐だった。
感想
まず最初の誘拐。
優奈の母親がありえない。
いくら仕事が大事でも、知らない子供を後部座席に乗せたことを忘れて自宅に戻り、そのまま自分の子供(優奈)とその子を放って仕事にいって翌朝まで帰らないってそんなことでありうるの??
しかもすぐに警察に届けず偽装誘拐を装うなんて。
そして次の誘拐を起こした礼遠。
この人は言われたことを額面通りにしか受けることができず生きづらい人なんだろうとは思うけど、妻を警察に真剣に探して欲しいから妻を誘拐犯に仕立てるってどう考えてもおかしい。
なおかつそれなら愛子を痛めつける必要ないじゃない‥。
さらに上記二人ほどではないけど、愛子と一緒にコンサートに行った友人もイライラするほどのデリカシーのない発言。
どうせ見えないくせに、とかいって席を代わってもらうとか、もうその発言がどれほど愛子を傷つけるかわかる年齢だろう・・・
と愛子の周りの人間がひどすぎてただただ愛子がかわいそうなお話でした。
唯一この事件を通して愛子が母親が自分をいかに守ってくれていたかに気づき感謝しつつも今後は自分で自分を守るすべをみにつけていかなければならないと成長している姿をみれたのが救い。
5歳の娘を持つ親としては、今回のように偶然ではなく、仮に意識的に誘拐をしようとした場合でもこんなに短時間で子供は誘拐されてしまうのだと改めて怖く感じた。
「少しだけならが一生の後悔」につながらないように改めて子供から目を離さない様に気を付けたいと思う。
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