【小栗旬×星野源で映画化原作】 罪の声 塩田武士

今日の一冊

罪の声 (講談社文庫)

 

罪の声 (講談社文庫)

  • 作者:塩田 武士
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/05/15
  • メディア: 文庫
 

内容(「BOOK」データベースより)

京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。

それは日本を震撼させた脅迫事件に使われた男児の声と、まったく同じものだった。一方、大日新聞の記者、阿久津英士も、この未解決事件を追い始め―。圧倒的リアリティで衝撃の「真実」を捉えた傑作。

あらすじ&感想 ネタバレあり

発売当初にたまたま見かけて「あ。これ面白そう」となったもののテスト前だったため終わってから読もうとチェックしていた本。

あのグリコ森永事件をモチーフにした作品です。

「グリコ森永」⇒「ギンガ・満堂事件」

「かい人21面相」⇒「くら馬天狗」

と名称を変えていますが事件発生の状況はとても似ているので、あの事件の真相を知る感じで読むことができます(実際は未解決のままなのでもちろんフィクションですが)

はじまり

ある日、クリーニング店で働く主人公曽根俊也が父の遺品から「きょうとへむかっていちごうせんを・・・」と録音されたカセットテープが見つかる。声は明らかに子どもの時の自分の声

遺品の中にはギンガ・萬堂とかかれたノートも発見する。

 父はギン萬事件の犯人なのか???

そのころ、大日新聞の年末企画は「未解決事件特集」。記者の阿久津英士は上司からギン萬事件について取材を命じられる。

事件の概要

昭和59年3月から1年半にわたり、犯人グループがギンガ・満堂等計6社に脅迫状を送り多額の現金を要求したり社長を誘拐したりした事件。

しかし、彼らは実際には現金を受け取ることはなかった

ただ、放火や青酸入り菓子がばらまかれるなどマスコミによって報道された情報により企業の売上は激減し、ギンガ・萬堂は倒産寸前まで追い込まれた。

その後犯人による終結宣言があり2000年に時効が成立している。

曽根俊也

俊也は父の同級生堀田にカセットテープのことを相談し、共に事件を追うことに

俊也の祖父@清太郎ギンガの元社員、左翼の内ゲバに巻き込まれて死亡している。この時ギンガは清太郎も左翼運動にかかわっていたと考え冷遇し葬式にもろくに出なかった

俊也の伯父@達雄=俊也の父の兄。ギンガの父清太郎に対する冷遇に怒った達雄はその後別の左翼にのめりこみ過激派に。後にイギリスにわたっていたが事件発生の前月に一時帰国していた。

達雄の先輩@生島秀樹 元刑事。やくざとの癒着で懲戒免職されている。 事件のさなかに一家そろって失踪している。中3の望・小2の聡一郎が「ギン萬事件」に使用された子供の声の3人のうちの残りの2人ではないかと考えられる。その後、娘の望は逃亡生活中に死亡し息子の聡一郎は失踪していることがわかる。

阿久津英士

要求したお金を受け取ることが目的ではなく、 株価操作が目的だったのではないかと気づく。事件の2ヶ月ほど前から株価は上昇し、事件発生後暴落している

これを利用して犯人グループは利益を得たのではないかと考える

真相に近づく

阿久津がつかんだ犯人 5人/9人中

  • 吉高 仕手筋
  • 上東 利権屋。吉高の出資者
  • 金田(哲)
  • 金田(貴) 哲の仕事仲間。唯一警察に顔を見られる⇒のちのキツネ目の男
  • 青木 やくざ

この後、阿久津は曽根俊也の存在を知り、インタビューを願うが、俊也は家族を守るために断る

そのため阿久津はイギリスにいる達也の元に。

俊也の伯父@達雄の告白(事件の真相)

父清太郎の死により、父を殺した左翼と対する組織の過激派活動に従事していたがそれは結局父の仇と同類だと気づき組織を離れイギリスに逃亡した。

そこに多額の借金を抱えた生島が達雄を勧誘しに来た。

当時のイギリスで虚しさを抱えていた達也はその勧誘に乗る。

そしてオランダの「ハイネケン誘拐事件」をモチーフに「ギン萬事件」を計画した。

但し、身代金の受け渡しは絶対成功しないと考えた達也は誘拐や脅迫により株価を操作しそれにより利益を生み出そうと計画した。そして上の5人が現場の実行犯として、生島・曽根達夫・山下満(生島の後輩で産廃業者で働いていたため青酸ソーダを手に入れることができた)(生島の後輩で電電公社で働いていたため逆探知等の知識を持っていた)の4人が交渉等を担当した。

とろこが徐々に実行犯のグループがいうことを聞かなくなり身代金を本当に奪おうとしてグループは決裂。

 株売買の利益の9割を青木が実行犯5人で分配してしまった。

そこで最後の会合が行われる。

生島はもっとお金をよこせと主張し、青木はそれならもう1回脅迫しようと主張した。

達也は身代金の受け渡しは成功しないと主張したが聞き入れられなかった。

実行日。生島は青木のアジトで殺されてしまった。そこで達也は生島の実家に行き、奥さんと子ども二人を逃がした。

その後青木グループは作戦を続行、達也たちのグループはそれを了承しつつ青木達が警察に捕まる様にとキツネ目の男に変装しアジトの住所のメモを現場に落とすがアジトから元警察官の生島の指紋が見つかってしまったことにより警察がその証拠を隠蔽するなど実行犯に有利な出来事が重なり青木グループは誰一人捕まらなかった。

聡一郎について

イギリスで達也からきいた告白を俊也に伝える阿久津。

俊也は父は犯罪にかかわっていないと知りほっとする。

しかしそれならばどうして自分の声が録音されていたのかはまだわからないまま

そこで子ども声で録音したもう一人の生き残りの聡一郎を二人で探すことに。

ここから聡一郎の事件後

姉を殺したのは金田哲。

母と聡一郎はそのままやくざの青木の経営する企業で働くことに、そして総一郎は中学生の時に若い組員と事務所に火をつけて逃亡し青木から逃げ続けて生きている。

今は目を患っているが保険証もないため病院に行けず失明の恐れがある。青木はすでに死んでいることを聡一郎に伝えると、最後に母に会いたいと聡一郎は言う。

事件の真相 その2

達雄から俊也に手紙が届いていた。

事件にかかわっていたのは父ではなく母の方だった。

母は警察に恨みがあり、達雄にも借りがあったため事件に間接的とはいえかかわっていた

そして自分の行動が正しかったのか間違っていたのかを判断してほしくてわざとテープを息子に発見させたのだった

聡一郎の母の元へ

阿久津の記事は大反響。

その後聡一郎の母が老人ホームにいることがわかり聡一郎と阿久津と俊也で老人ホームに出向く

涙で聡一郎と母が抱合う姿をみてようやく事件は終わったんだと二人は思う

 まとめ

とりあえずもってきたテーマが面白い。

あの今も未解決の大事件の犯人の声は幼い時の自分の声だったって気づくシーン。これだけでぐっと本に引き付けられる。

ただ、ところどころ「あれ?これいる?」と思うような文章が多くてもう少し短くてもよかったかな?と思うのと、ミステリーは大体すべてが事件に都合よくつながっていて、行く先々でヒントを拾えるものだけど、せめてそれが読者に「都合よすぎるな」とは思わせない様にしてほしいけど今回は実際にあった未解決事件をベースにしているせいか、行く先々で関係者がペラペラしゃべっちゃうので気になってしまった。あれくらいの取材で犯人にたどり着けるなら逆に当時の警察は何してたんだと思ってしまう。

でも全体としては読みやすく面白かったです

映画化になるということで映画ではどういう感じにまとめられているのかが気になります。



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