【 定年のない職についている方】風花病棟 帚木蓬生

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

乳癌と闘いながら、懸命に仕事を続ける、泣き虫先生(「雨に濡れて」)。診療所を守っていた父を亡くし、寂れゆく故郷を久々に訪れた勤務医(「百日紅」)。三十年間地域で頼りにされてきたクリニックを、今まさに閉じようとしている、老ドクター(「終診」)。医師は患者から病気について学ぶのではなく、生き方を学ぶのだ―。生命の尊厳と日夜対峙する、十人の良医たちのストーリー。

「BOOK」データベースより

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

帚木/蓬生
1947(昭和22)年、福岡県生れ。東京大学仏文科卒業後、TBSに勤務。2年で退職して九州大学医学部に学び、現在は精神科医。’93(平成5)年『三たびの海峡』で吉川英治文学新人賞、’95年『閉鎖病棟』で山本周五郎賞、’97年『逃亡』で柴田錬三郎賞を受賞した。2011年『ソルハ』で小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「BOOK著者紹介情報」より

あらすじ

「メディシン・マン」

一人の女をめぐり対決してた二人が一緒に乗った船から一人がいつの間にか海に落ちて死んでしまう。

本当は殺人じゃないのか?と疑われた青年に精神科医が潔白を証明したお話。

ネタバレ

短時間麻酔薬で半レム状態において真実を述べさせるという治療を使い潔白を証明しました。

「藤籠」

余命宣告についてのお話。

骨盤に癌の転移が見つかった女性患者

夫から本人への告知をしないように頼まれ女性患者は告知を受けないまま治療に専念する。

結局彼女は退院することなく亡くなり、夫はもし余命を告げていれば彼女は幼い子供に何か書き残すことができたのではないかと後悔していた。

「雨に濡れて」

乳がんになった女医の話。

医者である主人公ががんになって初めて患者の気持ちがわかるという話。

「百日紅」

村で何十年も医者をやっていた父親とその息子の話

親を理解できるころには・・・

「顔」

ご主人に付き添われてやってきた女性。

サングラスと肌色のマスクを取るとそこには鼻と両眼球がえぐりだされた顔が。

彼女は顔を失う病気を患っていた

さらにその女性の話を聞くうちに、主人公はこの女性がかつて自分があこがれていた高校の同級生と気づく。

でも最後まで同郷だということは言えなかった。

旦那さんがとても奥さんを大事にしていてそれだけが救い。

ひどい病気もあるもんだなぁ

「かがやく」

アルコール依存症で入院している宮田さん。

長期間入院している宮田さんに、退院して通院しながら断酒生活を続けようとアドバイスすると。

「退院せぇというのはわしに死ねということですね」と返され・・

花を植えたり、掃除をしたりと働く宮田さん。

最後には癌になりなくなる。

「チチジマ」

チチジマであったアメリカ人のマイケル。

戦争中敵同士だったマイケルは私のことを戦友と呼んでいた。

「ショットグラス」

健康保険未加入の患者にどこまで医療をするか。

「震える月」

父親はベトナム戦争のころ軍医をしていた。

息子が父親の足跡をたどる物語。

「終診」

開業医には必ず訪れる終診について書かれたお話

感想

医者としても現役の帚木さんの作品

今までの医療サスペンスとは違い医師という職業をもつ一人の人間フォーカスをあてた作品。

タイトル通り一つ一つのお話に花が出てきます。

読んでいてじんわり感動しそして少し寂しくなるようなそんな本でした

この本はこんな人におすすめ

  • 定年のない職についている方。
  • 医療系の小説が好きな方



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