【殺し屋の話 第二弾】マリアビートル 伊坂幸太郎

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの元殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。闇社会の大物から密命を受けた、腕利き二人組「蜜柑」と「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。疾走する東北新幹線の車内で、狙う者と狙われる者が交錯する――。小説は、ついにここまでやってきた。映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く、娯楽小説の到達点!

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

伊坂/幸太郎
1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、短編「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、第21回山本周五郎賞、第5回本屋大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登場人物

木村雄一

元殺し屋。アルコール中毒だったが今は禁酒王子に復讐するため新幹線に乗っている

蜜柑・檸檬

コンビの殺し屋。峰岸の依頼でトランクと峰岸の息子を盛岡まで運ぶ仕事請け負うも、トランクが紛失し峰岸の息子も死んでしまう。蜜柑は本好き 檸檬はトーマス好き

王子

中学生。歩をデパートの屋上から突き落とした

七尾

ついてない殺し屋。天道虫と呼ばれている。真莉亜から仕事の指示を受け新幹線に東京駅から乗車しトランクを奪って上野で下車しなければならないが・・・

真莉亜

七尾に仕事の指示をする女性。

七尾に恨みを持っている殺し屋。ある人物の復讐のため新幹線に乗車するが、七尾ともみ合いになり死亡する。

木村雄一の息子。5歳。王子にデパートの屋上から突き落とされたため、意識不明の重体

峰岸良夫

裏業界では有名な男。

あらすじ&感想

グラスホッパーの続編

今回は東北新幹線という閉鎖空間
こんな狭い空間の中に何人殺し屋がいるんだってくらい殺し屋たちがでてきます

グラスホッパーで押し屋の殺し屋だった槿妻を殺された鈴木寺原を始末したスズメバチ情報屋の桃なんかも出てきます。

ここからネタバレ 時系列に

アル中の元殺し屋の木村の息子は中学生「王子」にデパートから突き落とされて現在重体。木村は王子を殺害するために新幹線に乗るが、逆に息子を人質にされ王子の言いなりに。

蜜柑と檸檬は闇社会では有名な峰岸から依頼され誘拐された息子を救出し、身代金の入ったトランクともに新幹線で送り届ける予定だったのに、トランクを紛失した上目を離したすきに息子(スズメバチに)も殺されてしまう。

七尾まりあの指示通り蜜柑たちのトランクを奪い上野で下車する予定が七尾に恨みを持つ狼と偶然でくわし、もみ合っているうちに狼を殺してしまう

王子七尾が隠したトランクを見つけそれを奪う七尾はトランクを盗まれ落ち込みが檸檬&蜜柑と自分が同じ峰岸からの依頼と知る

⑤大宮駅で蜜柑&檸檬は確認しにきた峰岸の部下に死んだ息子の手をつかんで振ってこたえてしまい怪しまれる

⑥七尾に罪をなすりつけようとしているのをしり七尾は蜜柑が席を立ったすきに檸檬気絶させその場をさる

狼が殺害しようとしていたのはスズメバチだと知り、七尾はスズメバチを殺す(ワゴン販売の女性)

檸檬が王子と木村と遭遇。同業者だと見抜き木村に発砲。王子は善良な中学生アピールをするが檸檬は嘘だと感じる。しかし檸檬は七尾が仕込んであった睡眠薬が聞いてきて、王子に殺される

⑨峰岸から、仙台でトランクと息子の確認を部下がするから降りろと指示があり、偽トランクと七尾が息子のふりをして峰岸の手下に遭う。しかし適当にダイヤルを回したつもりがトランクをあけてしまい中身が違うとばれる ここでも七尾下車できず

⑩蜜柑が檸檬と木村の死体を発見。檸檬が王子に「信用ならない人」という目印をつけていて王子を殺害しようとするが何もしらない七尾に殺される(七尾にとっては善良な中学生に見えた)

⑪七尾は運が悪いのでまた駅で王子に盛岡まで来てほしいと頼まれおりれず最終駅に向かう

⑫木村からの電話で直観で木村が危ないと悟った木村両親が新幹線乗り込み王子と遭遇

父親は王子から悪意を感じ取るが王子は「自分からの連絡がとぎれた時点で歩のそばで待機している人物が歩を殺害するように依頼していた」ので僕の方が上だ!と言い放つが、実は事前に木村の父親が知り合いの殺し屋繁に歩のことを頼んでいたので待機していた人物は死亡、さらに歩の意識も戻っていた。

王子のその後の描写はないがおそらく殺害される(生きたまま切り刻まれる)

⑬盛岡到着。七尾ようやく下車。峰岸が死亡(スズメバチのもう片方が峰岸殺害を狙っていた。まりあに依頼していたのは峰岸ではなく実はスズメバチで蜜柑と檸檬が邪魔だったのでトランクを奪わせて混乱させるのが目的だった。

木村は一命をとりとめていて回復傾向。

⑮七尾は蜜柑のジャケットに入っていた抽選券を使うと大量の蜜柑と檸檬が当たる「俺は死なない。死んでも復活する」といってたので何かしゃべりかけてくるんじゃないだろうかと錯覚する

好きなことば

『正解がはっきりしなくて、重要な問題』ほど、人は他人の答えを真似する。

世の中にはさ、正しいとされていること、は存在しているけど、それが本当に正しいかどうかは分からない。だから、『これが正しいことだよ』と思わせる人が一番強いんだ。

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三部作



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