【伊坂さんらしさが出すぎて難解】SOSの猿 伊坂幸太郎

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

三百億円の損害を出した株の誤発注事件を調べる男と、ひきこもりを悪魔秡いで治そうとする男。奮闘する二人の男のあいだを孫悟空が自在に飛び回り、問いを投げかける。「本当に悪いのは誰?」はてさて、答えを知るのは猿か悪魔か?そもそも答えは存在するの?面白くて考えさせられる、伊坂エンターテインメントの集大成。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

伊坂/幸太郎
1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒。2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリーと倶楽部賞を受賞し、デビュー。04年に『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞を、短編「死神の精度」で日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。08年には『ゴールデンスランバー』で本屋大賞、山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登場人物

遠藤二郎

困っている人を見ると助けずにはいられない性格。

エアコン販売員として働きながら、イタリア留学時に取得した悪魔祓いで人助けをしていた。

引きこもりの眞人の悪魔祓いを引き受ける。

五十嵐真

システム会社で品質管理の仕事をしている株誤発注事件の調査をしてくうちに西遊記の猿の幻覚を見るように。生真面目。

辺見のお姉さん

二郎とふるさとが同じ。二郎が中学のころ結婚。二郎の悪魔祓いをカウンセラーと勘違いし、引きこもってる息子(眞人)の相談をする。

眞人

引きこもり

田中

いつも出てくる足の悪い田中。うっかりミスばかりする。株の誤発注を起こした人

あらすじ

物語はひきこもり青年の悪魔祓いをお願いされた二郎目線の話300億円の損失を出した株誤発注の原因を調査する五十嵐の猿目線での話

ねたばれ

まず最初の「私の話」が時系列でいう一番最初。

そこで引きこもりだった少年眞人君がが孫悟空の化身に憑りつかれ話していた話が半年後の未来「猿の話」

で最後の五十嵐真の話がその予知があたってたかを書いている「五十嵐誠の話」という形式になっています。

眞人の話

眞人はとても感受性が強く、間違ったことをする男を許すことができない、分の怒りが暴力への欲求へとつながり、でも暴力をふるうことはいけないと部屋に引きこもり、子供のころから好きだった孫悟空を呼び出す(という言い方がわからないけど)

猿の話(つまり予知)

証券会社の誤発注は、うっかりミスをした社員の寝不足が原因でその寝不足は隣の部屋の騒音が原因

その騒音の原因は、男が叩き殺されていた音

男が殺されていた理由は、眞人が男の悪行(事故とDV)を許せなかったから。

この予知を二郎が事件を防ぐために、五十嵐に伝える。

感想

多分伊坂さんはものすごくものすごく賢い方なんだと思う。

で、このあたりの作品を本当は書きたいんだと思うんだけど、凡人にはちょっとついていきがたい

最後はなんとかうまくまとめてくれているものの

猿目線で書かれてるってどういうこと?ってなってしまいました

「孟子孔子」のくだりや段ボールをせっせと組み立ててる皆を想像するとなんだかおかしいと思えるところやそれ以外にも伊坂さん独特の面白さはあるものの「そういうことだったのか!」という爽快感より理解するまでの苦痛の方が長くて・・・

漫画家、五十嵐大介さんのSARUという漫画とのコラボ作品とのことなので多分漫画と両方読むとさらに理解が深まり楽しめるのかも

好きな言葉

我が子のことが何でもわかるといった親に対しての言葉

分かる、と無条件に言い切ってしまうことは、分からないと開き直ることの裏返しでもあるんだ。

そこには自分に対する疑いの目がない

 引きこもりの息子を心配する親に対する言葉

『子供のことが分からないけど、分かりたい』そう思うくらいがちょうどいいんじゃないか

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