今日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
クラスで上位の「リア充」女子グループに属する中学二年生の小林アン。死や猟奇的なものに惹かれる心を隠し、些細なことで激変する友達との関係に悩んでいる。家や教室に苛立ちと絶望を感じるアンは、冴えない「昆虫系」だが自分と似た美意識を感じる同級生の男子・徳川に、自分自身の殺害を依頼する。二人が「作る」事件の結末は―。少年少女の痛切な心理を直木賞作家が丹念に描く、青春小説。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
辻村/深月
1980年2月29日生まれ。山梨県出身。千葉大学教育学部卒業。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞を、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
内容
「人と群れるとかバカみたい。アングラな世界とか惹かれる。友達に外されるなんてもう死んじゃいたい。いけてない大人のくせに先生という肩書だけでなれなれしく話しかけてくるな。あー死にたい」とこんな感じのことをずっと考えてる女の子アンが、ある日河原でネズミを殺していた同級生のさえない男の子に自分を殺してほしいと頼むというお話。
感想
友達といっても、その場だけ楽しければいいだけで、その友達のことも心の中ではバカにしたりしていて、でもなんだかんだ仲良しだから無視されるともうそれだけで世の中終わった気分になるあたりや、大人からみたら「どうでもいいこと」が彼女たちの中ではものすごい大きな出来事として書かれてるところが、いかにも中学生らしい思考。そんな小説を大人になってから書けるのはすごい。
そして、殺害を依頼したことで、二人が秘密を共有し、色々考え、そして成長していくという姿はよい。
大人になって振り返ったら笑ってしまうような出来事。
でもその時はものすごく真剣で大切。
ってなんて青春真っ盛り
しかもしっかりそこに恋愛感情が含まれてるなんて、なんていい思い出
と女子校育ちの私は思っちゃいました。
ただ、いくらそういう年頃だといっても動物を殺すのはなぁ。そこは青春として片づけられない線を越えてしまってる気がする。
出来れば、ネズミはネズミ捕りのネズミをもってきただけ、
ビニール袋の血だまりも猫ではなくすでにネズミ捕りの中で死んでたネズミ。
猫の首輪は川沿いで息絶えてた猫からとったものであってほしいな。
好きな女の子にアングラな俺を見せたかっただけみたいな。
まぁちょっと(いやかなり)いたすぎる女子中学生ですが、少なからずそういう時代あったなぁって思わせてくれる小説でした。
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