今日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
東京近郊で発生した小学生誘拐事件。父親の勤務先に身代金要求を告げるメールが届けられた。不可解なことに、要求金額はわずか200万円でしかなかった。そんな中、事件が起こった町内に住む富樫修は、ある疑惑に取り憑かれる。小学校6年生の息子・雄介が事件に何らかの関わりを持っているのではないかと。そのとき、父のとった行動は…。既存のミステリを超越した、崩壊と再生を描く、衝撃の問題作。 –このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
歌野/晶午
1961年千葉県生まれ。東京農工大学農学部環境保護学科卒。’88年『長い家の殺人』で推理作家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) –このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
あらすじ
連続誘拐殺人。
人ごとだと思っていた事件のはずが,息子の部屋から息子がこの事件にかかわってると思われるものが次から次へと出てくる。
もしかして息子が連続誘拐殺人事件の犯人なんだろうか…。
とここまでは普通のミステリーじたての小説なんだけど、こっからは現実と妄想が交互に出てきます。
(ここからネタばれ)
1つ目の妄想
雄介は捕まるも、年齢的に罰せられないため、誰かが腹いせに「妻の菜穂を誘拐し菜穂は殺害される」という妄想。
これから続く妄想の中では一番あり得る内容で、ここまで読んだ時点では完全に現実だと思って読んでました。
2つ目の妄想
一家無理心中しようとするができなくて、でもなぜか家族は殺害され、自分が疑われるという妄想。
いくら利己的だからといって自分が殺せない家族をだれか別の人に殺害してもらうのは無理がありすぎて、それ故、妄想の中でも自分が疑われるという感じで彼の考えがかなり行き詰ってる感じが出てます。
3つ目の妄想
息子と向き合って語り合えば意外に真実は別のところにあるんじゃないか?
息子の潔白の可能性を考える妄想
ただし妄想途中で自分でその妄想に矛盾を見つけてしまうという妄想。
4つ目の妄想
息子を殺害し、ホームレスに罪をなすりつけてしまおうという妄想
罪のないホームレスを殺すことに罪悪感があるのか、実はそのホームレスと自分の妻は不倫していて、娘はその男の子供だというかなり無理やりな妄想も入ってきて相手に罪をなすりつけるも、警察に疑われてしまうような証拠を自分で勝手に見つけたりとか
人差し指が実は折れてたから拳銃の引き金がひけないとか、どんだけ想像力豊かやねん!と突っ込まずにはいられなくなります
そこまで想像できるなら完全犯罪できるんじゃないかと。。。
で、妄想しまくった後
現実はどうなるのかというと、特に何の解決もしてなくて・・・
感想
妄想と現実がいったりきたりというのはとても面白いのです
読みやすさも抜群
ぐんぐん読ませます
この本はこんな人におすすめ
- 結末がわからなくても楽しめる人
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