【3億円事件がテーマのアンソロジー】1968 三億円事件

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

1968年(昭和43年)12月10日、府中で起きた「三億円事件」。白バイ警官に扮した犯人は盗んだ三億円とともに永久に消えた。昭和を代表するこの完全犯罪事件に、人気のミステリー作家5人が挑んだ競作アンソロジー。事件に翻弄される者、助けられた者、模倣する者、犯人に恋する者―。事件を題材に描く5つの物語は、謎の真相に迫れるのか?

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

下村/敦史
1981年京都府生まれ。2006年より九年連続で江戸川乱歩賞に挑戦。14年『闇に香る嘘』で第六十回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は「週刊文春2014ミステリーベスト10」国内部門で二位、「このミステリーがすごい!2015年版」国内編で三位と高い評価を受ける。著書多数

呉/勝浩
1981年青森県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。2015年『道徳の時間』で第六十一回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。18年『白い衝動』で第二十回大藪春彦賞受賞

池田/久輝
1972年京都府生まれ。98年、同志社大学法学部政治学科卒業。99年、朗読ユニット「グラス・マーケッツ」を結成。“池田長十”名義で現在も活動中。2013年『晩夏光』で第五回角川春樹小説賞を受賞しデビュー。17年、「影」で日本推理作家協会賞短編部門候補となる

織守/きょうや
1980年、英国ロンドン生まれ。弁護士。2013年『霊感検定』で講談社BOX新人賞Powersを受賞しデビュー。15年『記憶屋』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞。同年『黒野葉月は鳥籠で眠らない』が、「このミステリーがすごい!2016年版」国内編で第19位、『2016本格ミステリ・ベスト10』で第18位にランクイン。次代を担う気鋭のミステリ作家として期待されている

今野/敏
1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。レコード会社勤務を経て、執筆に専念する。2006年『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞と日本推理作家協会賞を、17年「隠蔽捜査」シリーズで吉川英治文庫賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

あらすじ ネタバレあり

三億円事件

現金輸送車に積まれた東京芝浦電気(現・東芝)府中工場従業員のボーナス約3億円(2億9430万7500円)が、白バイまで用意した偽の白バイ隊員に奪われた事件である。「三億円強奪事件」とも言われているが、事件のあった日本に於いては本件犯行は強盗罪には該当せず、窃盗罪となる。 犯人が暴力に訴えず計略だけで強奪に成功していること、盗まれた3億円は日本の保険会社が支払った保険金により補填され事件の翌日には従業員にボーナスが支給されたこと、その保険会社もまた再保険をかけており日本以外の保険会社によるシンジケートに出再していたことから補填されたために、直接的に国内で金銭的損失を被った者がいなかったという認識、ならびに被害金額2億9430万7500円の語呂から、「憎しみのない強盗」とも言われる。

Wikipedia

楽しい人生 下村敦史

たまたま二人で車を盗もうとしたら、車の持ち主がやってきて慌てて車の中に忍び込んだ主人公

その車は「3億円事件の犯人が逃走に使った車」通称多摩五郎だった。

主人公は中にとんでもない大金があることがわかり殺人を犯してそのお金を横取りする。

が、そのお金は・・

その後些細な事で刑務所に入ることになった主人公が一時的にお金を埋めておくことにしたが、出所したらそこら辺一体は大規模な団地ができている

なるほどだから3億円事件の犯人は簡単につかまらず。そしてそのお金も消えてしまったのかと思わせる内容で面白かった。

ミリオンダラー・レイン 呉勝浩

学生運動に熱狂してるわけでもないけど今の生活には不満がある主人公が、人生を変えるために大金を手に入れようと考える

そうだ白バイを使って・・・と犯罪計画が出来上がるが、ある日テレビをつけると自分が考えていた計画にそっくりの「3億円事件」のニュースが流れていて

つまり同じような犯罪を考えていただけでこの主人公たちは全くの無関係というお話。

欲望の翼 池田久輝

香港の九龍城が舞台

なんとなく歯医者になってなんとなく生きていくことに疑問を持った主人公。今は香港の九龍城でもぐりの歯医者をしている。

そこに背中を撃たれた男が運びこまれてくる。彼は日本で起きた3億円事件を報道した新聞の切れ端を持っていて・・・

これは3億円事件後に同じような事件を香港で起こそうとしていた男とそいつに弱みを握られて共犯にさせられそうになっていた男の事件に主人公が巻き込まれ それによりもう一度人生を見つめ直そうという話

初恋は実らない 織守きょうや

あの事件を目撃した主人公。

当時小学生だった彼女は犯人に対して恋にも似た感情を抱いていた。

その後警察に話すことなく事件は迷宮入り。

そして主人公は、兄が連れてきた男性と結婚する。

その人は3億円事件に興味があり結婚を機に乗っていたバイクを売り新婚旅行にはハワイに連れて行ってくれたいい夫。初恋の相手だといったからか、今でも3億円事件の報道があると心配そうに私のことを見ているかわいい夫で・・・

まぁつまりあの時の犯人と結婚してるということだと思います。

初恋実ってる。

特殊詐欺研修 今野敏

警察大学校ではこのたび警察官に対して「特殊詐欺」についての講義が行われた。

その研修の一環として現役警官である主人公たちに詐欺を働きかけるコンテストが行われる。

最優秀者は賞金10万円。

でもどの詐欺も陳腐で・・・最優秀賞は今日はなしだなっとなり帰ることに。

で、帰り道に白バイが近づいてきて・・・

まぁ小説の題名からすぐに話の内容が読めちゃいますよね。

まんまと白バイ扮した警察官にだまし取られるという話です。

感想

全体的に面白かったですが特に初恋は実らないが好みでした。今は犯人かつ主人公の夫はどういう思いで妻と向き合っているのだろう

最初は覚えていたら殺そうと思って近づいたけど主人公の淡い初恋の話を聞いて許されたような気持ちになっているのだろうか?それとも彼自身もあの時犯行の途中で見られたあの瞬間に彼女の目に惹かれるものがあったのだろうか?よくわからないけどそのよくわからない具合が好みです。

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