今日の一冊
内容
「ぼくが殺しておけばよかった」中学三年の不良少年・樋田真俊が何者かに刺殺された事件。彼にいじめを受けていた同級生・河石要は、重要参考人として呼ばれた取り調べでそう告白する。自分の手で復讐を果たしたかったのか、それとも……。少年たちの歪な関係を描いた表題作他、ストーカーの女と盗癖に悩む女の邂逅から起きた悲劇「その一言を」など書き下ろしを含む全六篇を収録。人間の暗部に戦慄する傑作ミステリ短篇集。
こんな人におすすめ
- 先が読めないストーリーが好き
- じめっとした季節にひんやりしたい
あらすじ&感想
短編小説ですがどれも重い。
イメージ的には夏の湿気をめっちゃ吸った畳くらい重い!
読んでいて疲れたー(誉めてます)
死んでもいい
中学3年の不良少年が誰かに刺されて殺された。刑事たちは彼にいじめられていた同級生でナイフの所持者でもある要を重要参考人として取り調べるが彼はどうやら犯人ではなさそう。そうすると行方が分からなくなっている要の母が犯人か!?
いじめとか読んでいるだけでぐっと沈んでしまうのですが、これはいじめが原因と思いきやそうじゃなかった。そんなことがあるのだろうか?わからない。
人の心の中の本当のところなんて誰も知ることができないと思わされる作品
ママがこわい
ママ友問題に悩む娘。確かにそのママはとんでもない人で・・・
歯科医の父が孫の通う幼稚園をそのモンスターに紹介してしまっていてそのことに悩んでいるのかと思いきや・・。
怖いのはそっちではなかったか‥。
ここからネタバレ。
火遊びをした女性Aが孫が通う幼稚園の先生で、これはまずいとお客だったモンスターママにその幼稚園をお勧めして、その結果モンスターママに辟易した娘が幼稚園を転園することにしてラッキーと思ったら、息子が彼女を紹介するといってその女Aを連れてきた(しかもすでに妊娠している)という話。
からたねおがたま
親戚の葬式で父の元妻の娘つまり主人公の元義姉と再会する。
元妻の評判は悪く結婚していた時は親戚中から疎外されていて、主人公は義姉しか遊ぶ相手がいなかった。そしてその義姉からいけないあそびをさせられそうになったところ名前はわからないが親戚のだれかにみつかり殴られた過去がある。
そのことを思い出し、そうそうに葬式会場からでた主人公はその現場となった神社に向かう
そしてそこであの時の自分と義姉を見つける‥。
花の強烈な香りと暑さとかが人を狂わせる感じがでててなかなかの作品
その一言を
妊娠中の女性の腕を切り落として殺害した女性。
彼女は夫の本当の妻だと言い張るストーカーで…。
バニシングツインで双子の片方を右手に持ったまま産まれてきた直海はその右手でいつの間にか人のものを盗んでしまうという癖をずっと治せずにいた。
その直海が・・・
直海が殺された方の女性。盗んでしまう方の右手を失いようやくいい子のふりをして生きていくことをしなくていいと彼女は微笑みながら死んでいく。
殺した容子は溺れてるところを母に助けられ母が代わりに死んだことを父親にずっと責められ生きてきた女性。父親は年ごろになると責めるだけでなく自分を母の代わりに抱くようになる。
その後結婚をし父親とも離れることができたが、妊娠を機に、夫やその両親から父親に会いに行くようにと言われるようになる。父の容態が悪いとわかるとさらにその声は大きくなり、容子はストレスにより流産してしまい夫とも別れる
父親が死ぬ間際に会いに行くも父はすでに容子が見えていなくて、亡くなった母の名前ばかり言う。
誰も私を見てくれない・・・。そんな時に父の声に似た男をみかけ彼を運命の相手だと思う。そして泥棒猫である彼の妻を気取っている女性を殺す。
という救いのない話。
彼女は死んだ
ボヤっとしてた30年前の15歳だった自分。
そのころの田舎に帰ってきた。相変わらず田舎の皆は優しい。
30年前に生徒を殺したものの不起訴になった先生もまだ同じ田舎に住んでいる。
村八分なんてされない。
あの時先生は何にもできない自分の文章が良いと褒めてくれた。
そして先生は自分とそして先生も好きだった真野あいかが主人公と思われる自作のファンタジー小説を自分だけにみせてくれた。
それなのに自分はその小説を真野にみせてしまい。ロリコンだということが村中で問題になる。
そしてあの殺人が起こった・・・
ここからネタバレ。
二人が共に好きだった真野という生徒が殺されたのだとばかり思っていたけど、殺されたのは別の女生徒。
彼女は小説の中にも魔女として登場する。
彼女はお腹に先生の子供を宿していて、先生を苦しめていた。
小説にどっぷりはまっていた主人公は彼女の身体的特徴で彼女が魔女だとわかり彼女を殺してしまっていた。
それを主人公は先生にあやまり。また東京に戻っていくんだけど。
「いや先生罪被ってあげてるいい先生みたいな雰囲気で登場してるけど、結局小説を読ませてたきつけて殺させたといっても過言ではないのでは?自分の子どもを宿した生徒って時点で・・」ともやります。
タイトル未定
櫛木理宇という作家の話。
この本を読んで盗作だと言ってクレームをつけてきたストーカーが「盗作した」と認めろと迫ってくる話。
でも小説の中で櫛木理宇は男性で結婚もしていて・・・
ということで単なるフィクションかとおもいきや
その小説を櫛木理宇のもとに送り付けてきた人がいて・・・と話は続きます・
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