【コロナ禍を予言?】クジラアタマの王様 伊坂幸太郎

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

製菓会社に寄せられた一本のクレーム電話。広報部員・岸はその事後対応をすればよい…はずだった。訪ねてきた男の存在によって、岸の日常は思いもよらない事態へと一気に加速していく。不可思議な感覚、人々の集まる広場、巨獣、投げる矢、動かない鳥。打ち勝つべき現実とは、いったい何か。巧みな仕掛けと、エンターテインメントの王道を貫いたストーリーによって、伊坂幸太郎の小説が新たな魅力を放つ。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

伊坂/幸太郎
1971年生まれ、千葉県出身。東北大学法学部卒。2000年、『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。04年に『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞を、短編「死神の精度」で日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。08年には『ゴールデンスランバー』で本屋大賞、山本周五郎賞を受賞、14年、『マリアビートル』で大学読書人大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 

登場人物

お菓子メーカーの宣伝広報。クレーム対応が上手いあっちの世界で池野内と小沢ヒジリと共に戦っているはずだが彼は思い出せない

池野

議員。岸の働くお菓子メーカーのお菓子に画びょうが入っているとウソのクレームをいれた妻のことを素直に謝ったことで高感度があがる。

高感度の高い人間ではあるが愛人もいる

お菓子メーカーに謝罪に行き岸に出会い、岸が夢の中で共に戦っている相手だと気づく。

池野内元夫人

池野内の妻。子どもが間違って画びょうを口に入れてしまい姑に自分の失態をとがめられたくなくてお菓子に混入していたといってしまい後に引けなくなる

小沢ヒジリ

中高生に人気のダンスグループのメンバー。岸と池野内とともにあっちの世界で戦っている

栩木さん

お菓子メーカーの広報係長。一児の母

あらすじ ネタバレあり

お菓子メーカーに勤める岸。

ある日お菓子の中に画びょうが混入していたというクレームが入り、その担当者が雑な対応をしてしまったことから話が大きくなり謝罪会見するも、さらにその謝罪会見をした部長が偉そうなだけで仕事ができない部長だったためマスコミとネットから叩かれる羽目に。

ところが、のちにそのクレームは自分の妻の嘘だったと議員の池野内が謝罪してくれたため一気に沈静化

そしてその政治家に呼び出された岸は、自分たちは夢の中で一緒に働いてる同士だといわれる・・・

そういわれるとそういう夢をみたような しかも池野内が見せてきたハシビロコウにはものすごく既視感があるような・・・

と半信半疑というか1信9疑ぐらいで話を聞いていた岸だが、二人は昔ある場所で火事に遭遇していたという共通点も出てくる。

その後二人は夢の中で戦うも一人の人物小沢ヒジリと接触することに

アイドルの握手会で夢のこととハシビロコウの話を小沢ヒジリにすると彼もやはり同じ夢を見ていることがわかる・・・

その後小沢ヒジリと岸が同時にピンチに陥る場面があるが、夢の中で3人で戦い勝利し現実世界でもピンチから脱出する。

どうやらあっちの世界で戦いに勝利すればこっちの事態も好転するということで、そしてこの事件以降3人は長い間お互い連絡を取り合うようになる。

それから15年。

池野内議員はテレビにものすごく出るように小沢ヒジリは俳優に、岸も少しだけ出世していて名ばかりですが管理職に、そして岸子どもは女子高生に。

池野内議員は最近違法献金容疑でマスコミに追いかけまわされています

ある日池野内議員から呼び出された岸は緊張しながら池野内のもとを訪れるも特に重要な話もされず「何かあったら思い出してほしい」二人でプリクラだけ撮って帰ります。

その直後池野内議員は「すべて話します」とテレビクルーの前で何かを話そうとした瞬間に何者かにフライパンで殴られ重体に。

そしてそのころとても怖い新型鳥インフルエンザがとうとう日本にも上陸して、第一号患者が出たとニュースで騒がれていました。

そしてその第一号患者は岸の住む家のすぐ近くで、その方を介抱したことで娘と、そして海外帰りの小沢ヒジリもそのインフルエンザに感染します


ここでネタバレ

この新型インフルエンザの為にワクチンを開発していてそこに献金していたのが池野内議員。そしてそれを私利私欲のために阻止していた国の偉い人のだれかに阻止されないようにしていたのですが池野内議員は襲われてしまいました。

そんなことがあろうかと池野内議員はプリクラの写真にヒントを隠して岸に預けていましたが、岸はそのことには気づかず。

でも勘のいい池野内議員の元妻が気づき、そのことを岸に伝えワクチンのことを世間に発表しようとします。

ただ、あっちの世界では、次に戦う相手を指示してくれていたハシビロコウこそが真の敵ということがわかりそして3人は負けているという事実があり、今までの説から考えると岸は死んでしまい、そして小沢ヒジリと岸の娘もインフルエンザで死んでしまうのでは・・となっています。

そのため岸はワクチンをとりに研究施設に乗りこむも敵と遭遇し絶対絶命のピンチとなった時に、どうにかして寝て向こうの世界で戦って勝とうと試みますが・・・

最後の最後で向こうの世界ではなくこっちの世界で戦おうと向き合いピンチを脱出し、ワクチンを娘に投与し、同時に治療薬があることで困る人物に阻止されない様に岸の勤める会社の大型ビジョンにその映像を公表し事なきを得る。

その後池野内議員もなんとか持ち直し、3人で動物園にハシビロコウを見に行き物語は終わり

映画化するならキャストは

映画化するなら 小沢ヒジリはKing & Princeの平野紫耀さんにしていただきたい。

なんとなくそのイメージで読んでいたので。

絶対あってるとおもう!

一児の母で有能な係長栩木さんは木村多江さん麻生久美子さんでもいいかなぁ

飄々と愛人のことを語る政治家は東出さん

主人公真面目な岸クンだけまだぴんときてない・・

感想

夢の中での世界とリンクしているという半分ファンタジーのような本でしたが話の中に新型ウイルスが登場してからは

  • SNSで感染者を特定しようとしたり
  • 感染者の自宅にマスコミが群がったり
  • 感染者を悪いことした人のように差別したり
  • 不要不急の外出を政府が求めたり
  • 訪日外国人への差別があったり
  • 日用品の買い占めがあったり

とかなり今の世界とリンクしていました。

思わず誰かが別の世界で戦っている結果だとしたらこれ負けてるんじゃないの?とか思ってしまうほど。



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