今日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学1年の春、僕は秋好寿乃に出会った。周囲から浮いていて、けれど誰よりもまっすぐだった彼女。その理想と情熱にふれて、僕たちは二人で秘密結社「モアイ」をつくった。―それから3年、あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。そして、僕の心には彼女がついた嘘がトゲのように刺さっていた。傷つくことの痛みと青春の残酷さを描ききった住野よるの代表作。
著者について
●住野 よる:高校時代より執筆活動を開始。デビュー作『君の膵臓をたべたい』がベストセラーとなり、2016年の本屋大賞第2位にランクイン。他の著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』。
ネタバレありあらすじ&感想
君の膵臓をたべたいと同じ『おとなしくてちょっと冷めた男の子」と「明るくて引っ張ってくタイプの女の子」が主人公。
人に不用意に近づきすぎないことを信条としていた僕は大学一年の時に秋好寿乃に出会った。
大学の授業で先生にものすごく青い質問をする彼女は明らかに周りから浮いていて、僕もこれはかかわってはいけないと思っていたけどいつの間にか彼女のペースに巻き込まれ、二人で世の中をよくしようという青臭い目的の「モアイ」という秘密結社まで結成していた。
それから3年。秋好はもうこの世にいない。
4年になった僕は就活も終え、最後の大学生活で亡き彼女のために「あること」を計画する。
それは4年までの間になぜか自分の手を離れて大きくなったモアイをぶっ潰すこと。
モアイは寿乃が「世界をよりよくしたい」と考えて作ったものだったが、それがあるとき大学に評価されメンバーが急増。今では就活のためのツールとして使われている始末。
その後友達と協力者のおかげで、そのモアイがイベントに参加している生徒の名簿を企業に横流ししていることに気づいた主人公はそれをsnsで発信し、モアイを解散させることに成功。
成功させたことで主人公は現在のモアイのリーダーであるヒロの悔しそうな顔などを想像してようやく溜飲を下げます。
ざまぁみろ ヒロ。
ネタバレ
このヒロが実は秋好寿乃。(ヒーローからヒロと呼ばれるように)
秋好は死んでなくて、1年の頃は青臭いほど理想に燃えていたのにいつの間にか理想を捨て去った秋好のことを主人公は寿乃はいなくなったと表現していただけ。
ということでモアイ解散後二人で会う秋好と主人公。
主人公はここでもまだ秋好にきちんと話せば昔の秋好ならわかってくれるはずとちょっと期待してたけど、秋吉は「ふざけるな!」とぶちぎれられる
そしてついつい主人公は
「ただ痛いだけのお前なんて、あの時受け入れてやらなければよかった」
「自己顕示欲の塊のお前は、あの時、ただ誰でもいいから、自分の傷の応急処置をしたくて、適当な僕をえらんだだけだ。僕が、お前の隣に偶然坐ってしまったか」
「何が、理想のためだ。何が皆のためだ。お前はずっと、お前のためだけにしか生きていないくせに、僕はその巻き添えになった」
と秋好に不満をぶつけてただただ秋好を傷つける。
秋好は「そうかもしれない」と答えて主人公は満足したもののその日からまるで廃人のように
目的を達成したけど達成感は0の状態。
そして色々考えた結果、「彼女を勝手に型にはめて勝手に美化して勝手に失望していた」自分の青さと痛さと脆さに気づく。そして、自分が必要なときだけ使われた必要とされたということに自分が傷ついたから傷つけていいという未熟な考えにも
つまり、主人公は自分のことをめっちゃ頼ってくれてたのに組織が大きくなってから自分の存在意義を失ったことに拗ねていたと気づいた主人公。
で、謝りたい。と思ったけど謝るって行為も自分のためすぎるな・・となり
時はすぎ、社会人になった主人公はモアイの団体の後継団体に顔を出す。
そこで大切な友人を傷つけた話をしてるとそこに彼女の姿がみえる
今度こそ彼女とちゃんと話をしたいとちゃんと傷つけられてもいいからと彼女の後を追うところでお話終わり。
モアイ団体が大きくなる家庭で青臭いままの彼女が傷つけられ命を絶ったのかと思っていたら全然違う内容でした。全体的に青臭い。彼女もそして主人公も。なので感情移入は出来ないけど、でも主人公が復讐のためとはいえ、男友達と仲良く作戦を考えたりしてちゃんと大学生活を送ってるのをみるとなんというか安心しました。
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