内容(「BOOK」データベースより)
サスペンス映画の傑作『サイコ』を見事に彷彿させる表題作「101号室の女」、夕暮れの公園で空のベビーカーを押す男の謎に迫る「眠れ、わが子よ」、凶暴な脱獄囚が別れた女に刻々と近づく恐怖を描く「網走まで」等、全九編を収録。巧妙な伏線とラストのどんでん返しで読者を欺く、折原マジックの集大成。
あらすじ&感想
101号室の女
湖畔のそばにたたずむラブホテル。さびれたホテルにある日一人の客がやってきて・・・。
映画「サイコ」のパロディ作品らしい。映画をみてたらもっと楽しめそうなのに残念。
オチが読めてるつもりがさらにもうひとひねりあるとは!
眠れ、わが子よ
売れない小説家は働く妻の代わりにベビーカーで公園に散歩に出かけるのが日課。ある日同じようにベビーカーを押す男に出会い。
これは、二人とも殺してましたというオチかと思ってた。赤ちゃんの泣き声のテープを聞きながら寝てたなんてせこい(笑)
網走まで
海外赴任中の夫と、刑務所に入っている元彼の二人から一人の女に手紙が届く。手紙によると二人とも10月1日に彼女に会いにやってくる。同じ日に鉢合わせしてしまうことになりそうな二人の男の運命は?
お花屋さん可哀想過ぎ。
ちなみに、刑務所の男として出された手紙の途中からの適当っぷりが気になる。
「追いかけられてる」から「殺した」に変更する意味がわからない。
最初からひょんなことでお前が結婚したのをしったから覚悟しておけ!的な内容でよかったのでは?
石廊崎心中
旅の途中で入れ替わってしまった使い捨てカメラ。その持ち主を探す投稿が新聞にのっていて。
この、使い捨てカメラが入れ換わるっていう設定は、面白かった。実際にあり得そう。
でも、この女性「夫の件」がありながら、何が「売られた喧嘩にが俄然立ち向かう」だよ・・・
自分の立場がわかってないのか?そして大瀬さん一歩間違えたら死んでいたよ。妻のためとはいえ無理しすぎ。
恐妻家
交換殺人のお話。
交換殺人を持ちかけられる主人公が、酒の上での話だと思い、本気にしてなかったところはリアルでいい。(「交換殺人しましょう」「そうしましょう」じゃぁ嘘っぽ過ぎるもんね。)それにしても、主人公が殺そうとした他人の妻。この女性は殺そうとしても死にそうにないなぁ。
わが子が泣いている
ある日、銀行強盗に失敗した男が家に乱入してきた、生後6か月の娘と自分が助かる方法を模索する妻。
夫・・・・。夫のことを考えるとかわいそうすぎだけど。これはオチも違和感なくよくできた話でした。
殺人計画
翻訳家は妻に殺されそうになっていることを必死で編集者に伝えようと試みる。
これは騙された!編集者のとんちんかんなメッセージもオチも面白い。
追跡
反対を押し切って梓と一緒に松本まで新婚旅行に出ることにした主人公。でも、同じ列車に、兄の敵を討つと息巻いているヤクザが乗り込んできて・・・。
これはちょっとオチが想像出来ちゃったなぁ。なんかいかにもそういうことしそうだからな主人公の雰囲気が・・。でもヤクザの男の間抜けっぷり具合が面白い作品
わが生涯最大の事件
定年退職した元警察官が迷宮入りした女子高生連続殺人事件をもう一度調査する話。
こういうお話好き。インタビューを記録している形式なので読みやすいし、展開も早くてよい。
最後は思わず背中がぞっとします。
全体的に世にも奇妙な物語ティスト満載の短編集でした。
だいどんでん返しは確かに多かったけど、途中で人が変わったように感じるくらいオチが無理やりだった作品がちょこちょこありましたが、でも全体的にはコロコロ変わる展開を楽しめました。
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