【リカその後の話】リターン 五十嵐貴久

内容(「BOOK」データベースより)

高尾で発見された手足と顔がない死体は、十年前ストーカー・リカに拉致された本間だった。警察官を殺し、雲隠れしていたリカを追い続けてきたコールドケース捜査班の尚美は、同僚の孝子と捜査に加わる。捜査が難航する中、孝子の恋人、捜査一課の奥山の連絡が途絶えた。彼の自宅に向かった二人が発見したのは…。『リカ』を超える衝撃の結末。

著者について

一九六一年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業後、出版社に入社。二〇〇一年「リカ」で第二回ホラーサスペンス大賞を受賞しデビュー。著書に『年下の男の子』『誘拐』『1981年のスワンソング』『贖い』『炎の塔』、シリーズ「吉祥寺探偵物語」「南青山骨董通り探偵社」など。

あらすじ&感想

リカシリーズ発刊順
  1. リカ
  2. リターン
  3. リバース
  4. リハーサル
  5. リメンバー
  6. リフレイン
リカシリーズ 年代順
  1. リバース
  2. リフレイン
  3. リハーサル
  4. リカ
  5. リターン
  6. リメンバー

本作リターンは前作のリカの年代的にも続きになる話になります

前作では、主人公本間が出会い系で出会ったリカ。最初は楽しくメールをしていたが、だんだん彼女がおかしいと気づき、携帯をかえたりしてもリカからは逃げられない、探偵を雇っても探偵が殺されたりする。最後は1対1で対決しようとするもリカに殺られそうになる。が、ギリギリのところで警察がきて、リカは警察に胸と腹を撃たれて救急車で運ばれていく。ようやく終わったと安心していたが、そのころリカは救急隊員と警察官を殺し救急車から逃げ出し、本間のもとへ向かっていた、警察が本間のもとに再度助けに来た時はすでに手足目口鼻耳のすべてを丁寧に生きたまま切り取られた本間とリカはすでにどこかへ・・。ってところで終わってました。

このギリギリで警察に助けられたと思っていたけど結局リカに感覚のすべてを遮断されたうえで誘拐されるというのが怖すぎて衝撃だった作品です。

今作はそれから10年後の世界。10年前担当だった刑事はショックで精神を病み意思疎通ができない状態になっていて、その後輩の女性が今回の主人公。10年間現在も未解決であるリカを追い続けています。

そんなとき、本間の死体が発見されます。本間の死因は食べ物を喉に詰まらせた窒息死。本間はあれから10年、目も耳も舌も鼻も手足もないままリカに飼われていたのです。(怖)

でも死んでしまった。

リカはまた必ず新しいターゲットを探すはず。

そう考えていた刑事の一人奥山が出会い系サイトでリカを見つけ出し、自分だけで逮捕するつもりで会う約束を取り付けます、が、案の定リカに感づかれ首を切断され近くには眼球や鼻や口等が切り取られて置いてあるという状態で見つかります。

奥山を発見したのはその刑事の婚約者だった孝子とその友人である主人公の尚美(ともに警察官)は奥山の携帯を使い奥山ではなくあえて本間の名前を使ってまたリカを呼び出すことにする。

リカは本間はなくなっていることを知ってるのにそのあたりくるってるのでこのメールが警察の罠だと気づきつつも本間に会うためにやってきます。でも待ち合わせのホームにはたくさんの警察官が待ち伏せしているも彼女の姿を見つけられたのは尚美だけ。

尚美は彼女をおいかけ同じ電車に乗り込むことに成功するも・・・やっぱり拉致られる。

で、さっくり目玉を片方えぐられて絶対絶命。

ってところで孝子が助けにくる拳銃で12発ほど打たれてようやくリカは死ぬ(今回はちゃんと死亡が確認される)

ということでこれでようやくリカの恐怖は終わり…。

と思いきやここからネタバレ

エピローグでは尚美が10年前リカの事件で精神を壊してしまった菅原警部のもとに報告に来ます。

菅原刑事は尚美にとって恩師であり父親にも似た存在でした。その菅原警部は今は全く意識がないけれど、血縁関係がない尚美は引き取りたいと申し出ます。

そして意識のない彼をみて彼を完全な形で自分のものにできるという喜びに浸ります

そう尚美にもリカの狂気が伝染してるかのように描かれて物語は終わりました

リカの気持ち悪さと最後の衝撃に比べるとリターンはそこまででもないなと思いながら読んでましたが(麻痺してる)最後でやっぱり怖いわ!!ってなりました。

死んでもなおリカは人の心に生き残るってもはや貞子。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です