【年下男子特集】東京タワー 江國香織

内容(「BOOK」データベースより)

大学生の透は恋の極みにいた。年上の詩史と過ごす甘くゆるやかなひと時、世界はみちたりていた。恋はするものじゃなく、おちるものだ。透はそれを、詩史に教わった。一方、透の親友・耕二は、女子大生の恋人がいながらも、蠱惑的な喜美子に夢中だった。彼女との肉体関係に…。夫もいる年上の女性と大学生の少年。東京タワーが見守る街で、二組の対極的な恋人たちが繰り広げる長篇恋愛小説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

江國/香織
1964(昭和39)年東京生れ。短大国文科卒業後、アメリカに一年留学。’87年「草之丞の話」で「小さな童話」大賞、’89(平成元)年「409ラドクリフ」でフェミナ賞、’92年『こうばしい日々』で坪田譲治文学賞、『きらきらひかる』で紫式部文学賞、’98年『ぼくの小鳥ちゃん』で路傍の石文学賞、2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、’04年『号泣する準備はできていた』で直木賞を受賞。著書多数。絵本の翻訳も多い。瑞々しい感性から紡ぎだされる作品世界で、多くの読者を魅了している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

あらすじ&感想

勝手に『年下男子』しばりを始めたのですが(夏休み中に何かしら読書にプラスアルファの楽しみを持たせようと思い)その時に最初に思い付いたのがこの本。

有名な本なので過去にも読んだことがあったのですが、その時は私は年下男子側の年齢だったので、いまいちのめりこめなかったので再読。

大学生の透は母の友人に恋に落ち。透の友達の耕二は、同世代のかわいい恋人がいながら、情熱的なセックスをするおばさんとも関係を持っている(過去には同級生の母親にも手を出したがそれはよくなかったと反省している)という話(超ざっくり)

映画では透が岡田准一で透の好きな女性が黒木瞳。耕二が松本潤でその相手の女性が寺島しのぶだったのでそのイメージで読みました。

透は静かな男の子。なんというか日常離れした感じ。母親の陽子に連れられたパーティーで詩史に出会い恋に落ちる。「恋はするものじゃなく落ちるものなんだ」って思ったりする。

友人の耕二は透の話を聞き、年上の女性に興味をもち、同級生の母を落とす。でもそれは同級生を傷つけることだと知り、今はお互い体の関係と割り切っている子供のいない喜美子と付き合っている。

ただ、お金を渡してきたり気性のあらいところのある喜美子に彼はそろそろこの関係は終わりだとも思っている。

そんな時耕二は同窓会で過去に落とした母親の娘に再会する。すると彼女はそこからやたらと彼に付きまとうように。耕二は喜美子以外にも同世代の彼女がいたけれどその子にも疑われて振られる始末。

一方透は、詩史と一緒に別荘で一晩過ごしていると夫がやってきて慌てて帰ったりと危ないシーンはありつつもというか詩史の夫にも自分の母親にもばれてはいるものの、大事にはならず、大胆にも詩史のセレクトショップに就職を決め共に生きることを選択する。

耕二は結局彼女にも喜美子にも振られる。でも未練は喜美子にある。

喜美子が最後にあったときにいっていたフラメンコのコンサートに喜美子を見に行くも冷たい態度をとられ落ち込む。

みたいな感じで物語は終わります。

映画では透の母親は詩史のことをなじるし、二人を引き離して透を無理やり留学させたりして、それでもお互い忘れられずパリまで透を追いかけていったりするシーンがあった気がしますが、本はそれよりずっと淡々としていました。

思ったことは、

二人の若い男の子が年上の女性に恋に落ちる物語として「東京タワー」っていう題名はとてもありだけどこれがスカイツリーだとなしだなってなったこと。

そういう意味でなんとなく東京タワーってやっぱりエモいんだと思う(使い方あってるかわからないけど)

あとは恋はするものではなく落ちるものだっていうセリフ。この本で知ってそのあともずっと残ってるけど、あの時も今もやっぱり 母親の友達に恋に落ちるということも 友達の子供に恋するってこともないわ・・。そこはやはり立場が変われど入り込めなかった。

ただ、映画に比べてどっちに進むかわからない終わり方はとてもあり。

登場人物の心の繊細な心情もとても丁寧に書いてあって、読んでいて楽しかったです。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です