護られなかった者たちへ 中山七里

あらすじ&感想

映画化された作品

大震災から少しずつ復興しつつある仙台を舞台にした作品。テーマは生活保護。

仙台市で他殺体が発見された。拘束したまま飢え苦しませ、餓死させるという残酷な殺害方法から、担当刑事の笘篠は怨恨の線で捜査する。しかし被害者は人から恨まれるとは思えない聖人のような人物で、容疑者は一向に浮かばずにいた。捜査が暗礁に乗り上げるなか、二体目の餓死死体が発見される。一方、事件の数日前に出所した模範囚の利根は、過去に起きたある出来事の関係者を探っていた――。

あらすじより

仙台で起きた餓死させるという残酷な方法で凝らされた二人。

一人目の被害者は、仙台市の福祉保健事務所課長・三雲忠勝。

二人目の被害者は、県議会議員・城之内猛留。

二人とも殺される理由が見つからないほどいい人と周りに言われている。

が、二人はある一定の時期に同じ場所で生活保護の申請にかかわっていたことがわかる。

その時に申請を断られた中に犯人が?

と警察が目を付けたのは一人の男。

彼は知り合いの女性が申請を断られた後に餓死したことに腹をたて問題を起こしたことがあり・・・。

という内容。

生活保護についてがテーマだったので重かったです。

どうして制度上上限がある 全員を認めるわけにはいかないという中で、明確に悪いことをしている人を除きその線引きって本当に難しいなと思いました。

それこそ稼いでいて連絡もとれている芸人の母親が生活保護を受けているとかはありえないけど、餓死してしまう可能性のある場合はもちろんだけど、どこかで線をとなるとやっぱり本にあったように、子供を塾に行かせたいから内緒で仕事をしているなどの場合は打ち切りも仕方ないんだろうかでも母親に目線でみるとやっぱりやりきれないなぁ。

お金で学ぶ機会をたくさん得られる子供とそうでない子供との格差ができるだけない社会であってほしいけど今の日本は確実にその格差が広がっている気がする。

とくにコロナ禍になってから。

コロナ禍で学校が休みになってもオンラインになっても家庭教師や塾やその他習い事に行ける子供とそうでない子供には学力もその他の面でもかなり差がついちゃうんじゃないかなぁ。

それが貧困の連鎖につながってしまうとしたらこれほど悲しいことはないな。

そして貧困に直面したら盗むことや体を売ることを人間は考えてしまうという話にもなるほどなぁとならずにいられなくて

うーーんと読んでいてずんずん重たい気分になりました。

あと、ミステリーとしても楽しめました。

ここからネタバレですが、ギリギリで犯人そっちかい!となりました。



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