鳩の撃退法上下 佐藤正午

内容(「BOOK」データベースより)

―このままじゃおれたちはやばい、ラストに相当やばい場面が待っているかもしれない。だけど厳密にやばいのはあんただ。わからないか。夜汽車に乗って旅立つ時だよ。身を潜めて小説の下書きを進める津田伸一は、退職金をいきなり手渡された。ついに“あのひと”が現れたのか?忽然と姿を消した家族、郵便局員の失踪、うごめく裏社会、疑惑の大金…多くのひとの運命を狂わせた、たった一日の物語が浮かびあがる。数多の作家をも魅了した、ユーモアとスリル、そして飛び立った“鳩”のあまりにも鮮烈な軌跡。現代小説の名手佐藤正午渾身の最高到達点。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

佐藤/正午
1955年長崎県生まれ。1983年『永遠の1/2』で第七回すばる文学賞を受賞。2015年『鳩の撃退法』で第六回山田風太郎賞を受賞。2017年『月の満ち欠け』で第一五七回直木賞を受賞

登場人物

津田伸一(藤原竜也)
直木賞も受賞したことある作家。デリヘル嬢の送迎ドライバー。

幸地秀吉(風間俊介)
バーの経営者。ドーナツショップで津田と出会い、その日に家族3人で失踪してしまう。

幸地奈々美
秀吉に妊娠を告げた後不倫とばれて、その日に娘と夫と3人で行方不明になっている。

房州書店の老人
古本屋の老人。ドーナツやで津田と幸地が遭遇した日から1年2カ月後に死亡。そして津田に「死んだら返す」といっていたキャリーバッグが形見として津田の元に行く(事件のキー)

沼本(西野七瀬)
ドーナツ屋の店員。要所要所で出てくる。

倉田健次郎(豊川悦司)裏のひと。

鳥飼なほみ(土屋太鳳)津田の小説の熱狂的なファンで編集者。

デリヘルの社長 裏の人とつながありあり、主人公の雇主でもある

晴山 郵便局員。家族が失踪した日、デリヘルの女の子に頼まれ、津田に駅まで送ってもらい、その後失踪する。デリヘルの子をよく指名していたが、幸地奈々美の浮気相手でもあった。奈々美と失踪。

まえだ 床屋を営む。いわないと決めたことは言わない。

あらすじと感想

こちらもフォロワーさんからの紹介で手に取った本

映画化されるタイムリーな作品。もう主人公の津田が藤原竜也ということを知ってから読んでしまったので、主人公は完全藤原竜也で再現されながら読みました。(津田さん割とくずなのにちゃっかり住まわしてくれる女性が毎回いるのも藤原竜也なら納得)

この本、何が変わってるって、書き手が主人公。主人公が語り手の話はめちゃくちゃありますが、語りてじゃなくて書き手。もうそのまま書きながら物語が進んでいくという形なので、最初はとにかく読みにくいです。ただそれも作家(本当の作家の方)がわざとそう言う趣向で書いてるだけなので面白くないわけじゃないのでどんどん読みました。

ということで実際は複雑なのですが簡単なあらすじ。(ネタバレあり)

元直木賞作家だった津田は今はデリヘルのドライバー。

ドーナツ店で前から顔だけはみたことがあった幸地秀吉と初めて会話を交わす。その時津田は手に持っていた本「ピーターパン」の話を彼とする。←津田と秀吉との接点。

この秀吉はその後妻から妊娠を告げられる。「その相手は自分ではない」とすぐに気づいた秀吉が詳しく話を聞こうとしたところ「裏の男」である倉田から3万入った封筒を3時間ほど預かってほしいという連絡がきてその電話をきき店の子に金庫の中に入れておくように伝えます。

この3万がとっても重要

ということでこの3万円の流れのネタバレ。

金庫→お金を貸してほしいと秀吉に頼んでいた従業員が封筒の3万を勘違いして持ち帰り→大学生の友人にそのお金を渡す→デリヘルよびデリヘル女子へ→デリヘル女子が借金返済ということで津田へ→津田がいつもの癖で本(ピーターパン)にしおりとして3万挟む→雪の日にデリヘルの面接を予定していた女性の子供に本がわたる→デリヘル面接予定の女性が津田の本に気づき中に3万はいってると気づく返却方法がわからず津田が一緒にいた房州老人へ本を返す→本の中の3万が自分への借金返済だと思い房州老人¥他のお金(房州老人が使うことのなかった妻の形見の3000万)と一緒にスーツケースにしまう→そのうち1枚だけホテルの支払いで使う→房州老人死亡(殺人等ではなく)形見としてスーツケースが津田の元へ→津田大金の入ったスーツケース受け取る

ということで実はこの倉田が預かるようにいった3万円は偽のお金(鳩とよばれている)でそのうちの1万円が房州老人がホテルの支払いで使ったことで事件に発展し残りの2枚を探していたところ津田がそのうちの1枚を使用してしまう

というのがここまでが偽札事件の方。そのあと色々想像しながらも偽札がいくら入ってるかわからないしほぼすべてが偽札かもしれないしってことで津田はそのすべてのお金を他の人に押し付ける形で街をでるが、あとでそのお金は2枚を除きすべて本物だということが、そのお金が全額寄付されたことで知るというオチもあり(ただし同棲していた女性が途中で抜き取った100万だけは戻ってくる)

同じく28日デリヘルの子と彼女のリピーターだった晴山そして、秀吉一家(妻(妊娠中)+夫+子)の合計5人が失踪しているが、実はこれも津田が噛んでいる。

津田は28日にデリヘル嬢に頼まれて、晴山を駅に送迎したところ、そこで晴山(妻の妊娠相手)と秀吉の妻が合流しそのまま逃げていたのでした。

が結局つかまっちゃう。

実は秀吉が妻と出会ったときに妻はすでに別の男との間に子供がいて秀吉と倉田はその男を殺害している。そして産まれた子供を自分の子として育てていた秀吉だが、今回また他の男とできてしまいしかも妊娠しているということで、妻に、晴山と秀吉を選ばせて、秀吉と妻と子供(お腹の子と二人)は無事に今もどこかで幸せに暮らしていて選ばれなかった晴山はその後遺体で発見れている。

こちらが失踪事件の方の真相。

ということでこの28日は大きな出来事が同時で二つ津田の周りで起こっていたのでした。

で、その二つの事件の真相を探りつつそのことを小説に書いているというていのお話。

書いてる本人が無駄に(そういう設定)いることもいらないことも脱線しながら書いてるししかも無駄だと思っていた箇所があとで伏線になってたりもして頭使う1冊でした。

見聞きしたことと実際に体験したことそこに小説家としての想像を加味して事件の全容を明らかにするという新しいスタイル。

最終的にはめちゃくちゃ面白かったです。

過去と現在が行ったり来つつしつつさらに現実と小説もいったりきたりするというストーリーだけどどうやって映像化するんだろう。

でも3000万が本物だと分かったときの藤原竜也はカイジぽくて想像できちゃいますね。

ぜひ映画でもみてみたいな。



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