噛み合わない会話と、ある過去について 辻村深月

内容(「BOOK」データベースより)

怒りは消えない。それでいい。あのころ言葉にできなかった悔しさを、辻村深月は知っている。共感度100%!切れ味鋭い傑作短編集。 –このテキストは、kindle_edition版に関連付けられています。

著者について

辻村 深月
1980年2月29日生まれ。山梨県出身。千葉大学教育学部卒業。2004年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。他の著作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『島はぼくらと』『家族シアター』(以上、講談社)、『クローバーナイト』(光文社)、『青空と逃げる』(中央公論新社)など。『ツナグ』(新潮社)で第32回吉川英治文学新人賞、『鍵のない夢を見る』(文藝春秋)で第147回直木三十五賞を受賞、『かがみの孤城』(ポプラ社)で第15回本屋大賞第1位となる。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。 –このテキストは、kindle_edition版に関連付けられています。

あらすじ&感想

人には薦めにくい作品だけど私はめっちゃ好きな作品でした。

わかりやすい悪ではなくこういうありそうな人の心のえぐさを丁寧に書いてる作品が好きすぎる

誰もが傷つけていて誰もが傷ついていて生きているだろうから読んでいてまったく共感できないってことはないと思うけど傷つけられた思い出を思い出したらそれはそれで嫌な気分になるし、傷つけていたかもしれないことについて考えようとしても心がざわざわして読んでいて絶対いい気分にはならない小説ですが、でも好き。しつこいけどこういう微妙な心情を描いてる作品がめちゃくちゃ好き。

ということで今年読んだ中でもTOP3に入る良作でした

ナベちゃんのヨメ

大学時代に仲良かった男友達からの結婚の知らせ、でも彼が結婚する相手は過去にストーカーで退学になったような痛い女子で・・・。

女子のグループにいても違和感なくて誰もが友達として彼のことが好き、でも誰も彼と付き合わないっていう状況確かによくあるな。

そしてそんな男友達が束縛しまくりの病み女子だったら私もきっと文句言っちゃうけど彼の幸せはそっちにあるって感じがとても上手に書かれてる。

パッとしない子

人気アイドルの弟を教えていたことがある先生。

彼が人気アイドルになるなんてってびっくりするほど彼はパットしない子だったのにと周りに聞かれるたびに話していた。

ある日そのアイドルの彼が母校を訪問することになり、彼女に話しかける。

すると彼は・・・

ママ・はは

毒親だった母、完璧主義で自分の思い通りにすべてをして、そんな母が嫌だったと語る友人は今ではママと仲良し。

でもそのママって・・・

この話だけちょっとファンタジーというかホラー色の強い作品。

ただ、育児が正しかったかどうかがわかるのはいつかという話がとてもよかった。

早瀬とゆかり

小学校時代ぱっとしなくて、人の気をひきたくて霊感少女ぶってた少女と、クラスの中心だった少女がインタビュー受ける側とインタビューする側として久しぶりの再会

いやぁぁでもこれはどうだろう霊感少女とか言ってた彼女にとっては私なんかと会いたくないんじゃないかなーって思う彼女の気持ちがわからないでもないのにそこまで悪意を持って接するかなぁ

私が逆の立場なら有名になった途端すりよってきてた他のクラスメイトの方がいやだと感じそうだけど でもとにかく二人の微妙な心の描写がうますぎてぐぐぐってなりました。



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