今日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
友人の結婚式で出会った彼女は、他の場所では全く違うプロフィールを名乗っていた―「レンタル世界」。高校時代から発明家として脚光を浴びてきた薫。しかし、薫をずっと近くで見ていた雪子は、彼女があまりに効率を重んじることに疑問を感じる―「ままならないから私とあなた」
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
朝井/リョウ
1989年5月生まれ、岐阜県出身。2009年『桐島、部活やめるってよ』で第二二回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2013年『何者』で、第一四八回直木賞を受賞。戦後最年少の受賞者となる。2014年『世界地図の下書き』で第二九回坪田譲治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
あらすじ&感想
レンタル彼女
友達の結婚式に来ていた新婦の友人と後日偶然再会すると新婦の友人として紹介されたプロフィールとは違っていて彼女の口からレンタル友人だったことがわかる。
主人公は彼女に「レンタル彼女やレンタル友人なんてやめるべきだ}と伝える
そしてなんでも話し合ってきた先輩と自分の関係を彼女にみせて彼女に本音で話せる大切さに気づいてもらうため彼女をレンタル彼女としてレンタルし先輩夫婦の家に遊びに行く事にする・・・
先輩夫婦はとても仲が良くレンタルした彼女もとても楽しそうだったので帰りに告白する主人公。
ところが彼女は先輩の奥さんもレンタル家族だったと思うといいだす・・
その後調べてみると先輩は奥さんとうまくいってなくて別居中、そして先輩は実は男性が好きで・・そのすべてを自分はまったく知らなかった
運動部系の暑苦しそうな男子の「レンタル彼女なんてやめるべき!」と正義をふりかざしてる感じが痛かったのですが、彼女に「それなら風俗いくなよ」とビシといってもらってスッキリしました。
ままならないから私とあなた
ゆきことかおるは小学校の時から親友。
でも同じバンドを好きという共通点以外は二人はかなり違った性格。
ゆきこは小さいころからずっとピアノをしていて将来は作曲家になりたいと思っていて、カオルはとても合理的で無駄な事大嫌いでプログラミングにはまっている。
その後カオルは学生発明家コンテストでグランプリを取る。グランプリの内容は演奏家の癖を盗み演奏者本人が演奏しているような自動演奏が可能なプログラミング。
彼女はインタビューでそのプログラミングを親友の有希子のために作ったという。
大学卒業するとカオルは起業し、マッチングアプリで出会った人間と結婚する。
ゆきこは小学校のころの同級生とずっと付き合っているがまだ結婚はしていない
結婚するには作曲家として自立したいと考えていたゆきこはようやく自分らしい自信曲ができる。それを一番にカオルに聞かせようと会いに行くと、ちょうどカオルも新しいプログラミングが開発できたところだった。それは作曲家の癖を読んで自動的に作曲をするというプログラミングで、ソフトからは今ゆきこが作ったばっかりの曲と同じ曲が流れていた・・・
便利なものは受け入れるのに自分を脅かすものには昔の方がぬくもりがあるとかいっちゃうのが信じられないというカオルの気持ちはわからないでもないけど
でもやっぱり作曲家の癖を読み取りベートーヴェンが今新しい曲を発表してもそれは違うなって思ってしまうな
私は古い人間だから。
というかカオルはそこまで合理的なのにゆきこのことはどうして友達と思えるんだろう
恋すら省いて結婚しているというのに。そこに無駄があったとしたら二人はまた仲良くなれそうだけど・・
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