今日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
あのとき、目をそらしていたら。でも、もはや手遅れ。あなたはもとの世界には二度と戻れない。恐怖へ誘うのは、親切な顔をした隣人、奇妙な思い出を語り出す友人、おぞましい秘密を隠した恋人、身の毛もよだつ告白を始める旅の道連れ、そして、自分自身…。背筋が凍りつく怪談から、不思議と魅惑に満ちた奇譚まで。作家たちそれぞれの個性が妖しく溶け合った、戦慄のアンソロジー。
あらすじ
あまりりす 恩田陸
ボイスレコーダーから流れる音
37年に一度のお祭りで亡くなった長岡先生をしのぶ会。「まさか本当にあまりりすが現れるとは・・・」と村の人たちは話す。
ただ読み進めても結局あまりりすの正体はわからず。
これどこの後あまりりすがたくさん現れてどうやらこのしのぶ会に集まった地元民も先生の教え子たちも亡くなったであろうことだけがわかる。
妄言 芦沢央
隣に住んでいる人はちょっとおせっかいだけど親切なおばさんだと思っていたが、妻に「夫が不倫しているところをみた」等と嘘ばっかり吹き込むようになり・・・。
ただ妄言で他人を不幸にする嫌なおばさんの話かと思いきや、おばさんは少し先の未来を未来とは知らずに見てしまう体質をもっていた。
少し先の未来のため本人には身に覚えがなく、おばさんも実際見えていたのでそれがまさか未来の事とは思わず二人の間で話の食い違いが起きていたというもの。
世にも奇妙な物語で使えるようなお話。
破落戸の話 海猫沢めろん
勘の鋭すぎる破落戸の語る不思議な話。怖いような不思議なような話を聞いたあと、その破落戸は姿を消してしまう。
すべて霧の中って感じのモヤモヤしたお話
それより破落戸をごろつきと呼ぶことを初めてしった!
とわ家の話 織守きょうや
とわ家の芸者と恋に落ちてはならない。上司にもとわ家の客にもくぎを刺される主人公。
けれど主人公は糸という名の芸者と恋におち・・・
芸者はまるで年をとってないような記述があったので、恋に落ちると男側の命が危ないのかとおもいきや、恋人になった糸と朝を迎えると糸のほうがなくなっているというお話。それならそうちゃんと説明してあげろよーってなるけど(笑)内容は面白い
自分霊 小林泰三
破格の値段で借りれた部屋。
幽霊が出てくるのかと思いきや出てきたのは自分の霊。
自分の霊がこのままだとろくな未来にならないと告げてきてってところまではありがちな内容だけど実はその未来の自分は・・・
高速怪談 澤村伊智
皆で車を運転しながら関西にかえることで帰省代を浮かすことにした主人公たち。
それぞれが怖い話をすることにしたが・・・・
これが一番面白かった。
唯一みんなと初対面だった堀さんが「自分が堀だという証拠はどこにあるでしょう」と言い出すところとかありえそうで怖い。
しかもなんとなくの思い付きで描いた死体の絵が最後にちゃんと出てきてほんとぞわってしました。
ヤブ蚊と母の血 前川知大
母が家庭菜園で蚊に刺された後行方不明になった。
その後、父は何もせず主人公の男の子は家庭菜園の野菜などを食べてなんとか食いしのいでいく。
お母さんは蚊に刺されたから行方不明になったんだ。
そう思った主人公は・・・。
結局母親は家出して別の男と住んでいるだけなんだけど、それを隠して何もせず育児すら放棄してしまう夫・・・しっかりしろ
誕生日 北村薫
双子の名前に隠された誕生日の秘密。
寿家と輝美という名前が7月の子を表すジュイエと7月下旬から8月をしめすテルミドールからとってることに気づくという話。
コメントを残す