あらすじ&感想
大学生の主人公翔太は喧嘩中の彼女に呼び出されて夜中に車を走らせている時に隣に載せていた飼いネコに気を取られて人をひいてしまう。
実際はひいていたことに気づいていたが嘘をつき助けることもせずにひき逃げしたことにより、4年10カ月の実刑判決を受ける。
被害者は法輪君子。夫である二三夫は翔太の出所待ち翔太のことを調べてその近くに部屋を借り彼のことを監視する。その目的は・・??という話
ネタバレ
出所後、翔太は、両親が離婚し、父は酒におぼれ、結婚が決まりそうだった姉も結婚できずにいて、被害者家族だけでなく自分の両親や姉の人生も狂わせてしまってることを知る
そして自分自身も就職もうまく決まらず、かつての友人に連絡を取るとかねの無心に来たと思われる等出所前とはまるで違う人生が待っている。
出所後も被害者家族に謝罪に行くことは考えられないが、それでも同じ様な年齢を相手にする介護職についたりと彼なりに色々考えて生活していこうとしている。
そして、彼の事故の原因になった彼女は実はあの時すでに妊娠していて、子供を産んでいた。
彼にはその事実を告げず彼の生活を見守る。恋人ではないが友人として彼の家で料理を作ったりもする。
そしてその料理を近くに住む老人に届けたりする、彼も老人の部屋の蛍光灯を変えてあげたりする。
老人は認知症がすすんでいて道に迷って途方に暮れていた老人を部屋に連れて帰ったこともある。
まぁ、それが妻を失った二三夫。彼はずっと翔太を監視しているつもりが、認知症がひどくなり自分がなぜそこに住んでいるのかも忘れてしまっていた。
が、あるきっかけですべてを一時的に思いだした老人は翔太の仕事場の近くに古いナイフをもって現れる、
翔太は親しくしていた老人が被害者の夫と知り、復讐しにきた執念を恐れせっかくついた仕事を辞めてしまう。
その後老人は必死に翔太を探すがついにインフルエンザで倒れてしまい急速に衰える。
で、最後の願いにと翔太の元彼女がその二三夫の前に翔太を連れてきて最後に話すことができる。
(彼女は二三夫が復讐のために翔太を探してるわけではなさそうと思い翔太を連れてきた)
そこで二三夫は自分も過去に戦争とはいえ人を軍人ではなく一般市民を上官の命令で殺したことをずっと悔いていて、そしてそのことから逃げるためにヒロポンンにはまりやめられずヒロポン接種中に娘の調子が悪くなり娘までなくしてしまったことで今でも自分を責めそのことを同じく自分を責めているだろう翔太に告解します。
こんな罪を犯した自分は天国でも妻に会えないという二三夫に翔太は必ず会えるはずと答えます。
で、この後翔太も被害者家族に本当はひいたときに気づいたけど怖くて逃げたことなどを正直に伝え5年後また彼女とは籍を入れずに同棲だけしている彼に今度は被害者家族がもう入籍して新しい人生を歩んではどうですか?許しを与えるところで小説は終わります。
愛する妻を殺された夫が加害者に罰を下すために追いかけるも認知症になってしまいそれを実行することができないもどかしさを描いてる小説かと思っていたので大きく裏切られました。
その点はすごくよかった。
ただ、お酒飲んでいることをしっていたにもかかわらず今スグきてといった彼女の行動自体もやばいけど、ひき逃げしてかつ二〇〇メートルも被害者を引きずっているのに気づかなかったといっている彼氏を子供産んで待ってるかなぁ‥。しかもシングルマザーで育てるけど、でも子供の父である彼にはちゃんと更生してほしいというのはすごく分かるわかるけど小さい保育園に通ってる子供は料理作りに行ってる間どうなってるの???とその辺がかなり謎で‥。それならいっそ呼び出して事故の原因を作った彼女はそんなことに罪悪感を感じることもなく他の男の人と結婚してる方がリアリティあったかなーとなっちゃいました。
コメントを残す